美容師・理容師というと、華やかな職業だというイメージですよね?
綺麗なお店で働けて、お洒落。
手に職がつくことも好印象かもしれません。
美容院が無くなることは今の所想像できないですし、人気美容院はいつも混んでいます。
新しい美容院も今だどんどん出来ていますし、地域によっては美容院だらけなんて街もあります。
そういう現状を見ていると、きっと儲かるんだろうと想像してしまいます。
そして、にこやかに働いている理・美容師さんを見ると、ブラックな気配は感じません。

ですが噂では、美容院の労働環境はブッラクだという声をよく耳にしますが、実際はどうなのでしょうか?

一般的な理容師・美容師の労働形態

店舗によって営業時間は違うと思いますが、一般的に多い形態で見てみたいと思います。

営業時間 9時~19時
定休日  毎週月曜日・第2、3火曜日
年末年始 4~5日

という、お店が一般的だと思います。
定休日に関しては、地域によって曜日は違います。
もちろん年中無休!などというチェーン店もあると思いますし、朝の開店時間を遅くし夜遅くまで営業している地域もあるでしょう。

そして、大型店ならば有給休暇をもうけていると思いますし、営業時間中にお昼休憩1hと午後に休憩30分などとしてあれば、ごく普通の労働形態といえます。
そして、上記の情報と月給?万 賞与あり 交通費支給 福利厚生 などと書かれていたらどうでしょう? ブラックなイメージは湧きません。

でも、これはお店の営業時間が書かれているだけなので、実は実際の勤務時間は違う事がほとんどなのです。。
そのあたりを詳しく検証してみたいと思います。

給与が低い

新卒当時の初任給は15万〜20万程であり、実家暮らしもしくは実家からの仕送り、援助がないと生活を維持していくことが困難です。又美容専門学校を奨学金で卒業した場合、その奨学金の支払いも重なり美容師としての給料だけでは到底生活は維持できません。

自身のスキルアップ、勉強のために社内外問わず講習会への参加が求められ、講習費の出費もありますし、講習によっては専用の器具や材料の購入費なども必要です。

時には首都圏で開催される講習会に参加するため、交通費、ホテル代など数万の出費になることもあります。
美容師という職業柄見た目への気配りも必須であり、流行最先端のファッションを求められるので衣類の購入費も毎月必要です。

女性の場合ネイル費用も必要です。
又美容師ですが髪のことだけではなく、トータルコーディネートを求められる時代ですので、メイクの技術を学ぶ必要もあります。

そうするとメイク用品を購入する費用が多額にかかります。
アシスタントからスタイリストに昇格すれば自身の宣伝のため、ホームページに掲載するモデル写真を撮影をするための一眼レフカメラや協力していただいたモデルさんに支払うギャラも必要です。

基本給プラス歩合のため、月の収入に安定感がなく偏りがあります。働くサロンによっては社会保険を完備しておらず、自身で加入する必要があるため、その出費や老後の年金も国民年金になるため厚生年金に比べて安くその分貯金が必要です。

又美容室というのは近年コンビニエンスストアよりも店舗数が多いとされており、顧客獲得競争も過熱気味です。
サロンごとに持ち味を発揮させたり、価格帯を他よりリーズナブルに設定してみたりと、どのサロンも試行錯誤しておりますが、なかなか厳しい市場であることに変わりはありません。

理容室についても少し触れておきますが、男性は昔は理容室に行くのが当たり前であった時代でしたが、近年では男性でも美容室に行かれる方が増加し、男性の理容室離れも社会問題になっています。

美容室と理容室は女性客、男性客といった性別で住み分けをしていた時代から一変し、理容室はシェービングと言った特徴を生かし、顧客獲得への工夫をし、女性客にも顔剃りや襟足剃りなどシェービングを生かした理容室にしかできない施術メニューを増やし、昔とはまた違った美容室との住み分けが求められる時代にさしかかっていると思います。

営業時間外の労働時間その1:開店準備、閉店準備

理・美容院の労働時間は、営業時間だけではありません。
もちろん開店準備や閉店準備などが必要なので、それは当然といえば当然なのですが…。

特に大型店で多いのですが1時間前はあたりまえ、営業時間前に練習をするところはもっと早くに出勤することを義務づけられます。

営業前にアシスタント全員でピカピカに床を磨き上げるなどというお店もあって、毎日が苦行のようなお店もあると聞きました。
企業努力としては立派なのですが、アシスタントや見習の子に、厳しい時間外労働を強制するのはどうなのでしょうか?
シフトなどを作って交代するなど、方法は色々あるはずなのに…。

そういう無理をさせるお店は、先輩達方も苦労してきたせいで、それが当たり前だと認識しています。そういう苦労なくして、一人前にはなれないと思い込んでいるのでしょう。

それでは、当然耐えられずに辞めていく人が多発するでしょう。
もしかしたら、才能に溢れていた人も美容師を断念したかもしれません。
悪い労働環境が才能を潰す、などという事もじゅうぶんありえます。

営業時間以外の労働時間その2:長時間の練習

開店前に1時間以上早く出勤し、閉店後はどうなっているのでしょうか?

理・美容院、特に美容院は最終受付時間を営業時間としている所が多いので、19時までというお店は、19時まで入店という意味があります。
つまり、19時にヘアカラーなどで来店されたお客様がいれば、終わるのは21時です。
カラーとカットとパーマなどとなれば…22時過ぎます。
そういう感じで毎日営業し、早めに終わった日も練習と称して、深夜まで店で過ごすのが普通になっているお店は多いです。
もちろん練習なくしては、技術は向上しません。
練習は必要なのですが、だらだらと長時間かける必要もないと思いますし、見て覚えるというのもありますよね?後は個人で休日なり自宅なりでやればいいと思います。

勤務日の勤務時間後だけではレッスン時間が捻出できない場合、休日にレッスンする必要が出てきたり、そうでなくとも休日は講習会に参加したり、撮影が入ったりするためなかなか一日ゆっくり休むことは困難な場合が多いです。

また縦社会のため、先輩が技術レッスン中は下の従業員も帰宅しにくい雰囲気があり、どんどん帰宅時間が遅くなります。

残って練習が当然な空気では、帰りたくても帰れません。
そのような風習が昔からあり、長時間労働=ブラックな労働形態だと言われるのでしょう。

また、これはサービス業であれば美容師だけに限ったことではなく他の職業の方でもたくさんいらっしゃる話ですが、平日に休み土日に働くといった、カレンダーとは真逆のシフトの中で働きますので美容師以外の友人となかなか予定を合わせることが難しくなっていき、次第に疎遠になってしまう場合も少なくありませんし、家族や親戚での旅行や、お盆、お正月などの集まり、恒例行事への参加も難しい場合もあります。

結婚し、子供が出来ると、学校行事である音楽会や運動会への参加のため休暇を取ることも一苦労です。
友人の結婚式への参加は余程のことがない限り難しいと思っていた方がいいかもしれません。

 

労働環境が過酷

ほぼたち仕事のためかなりの肉体労働です。

そのため、女性は妊娠するとなかなか継続して働くことは厳しく、無理して働き続けると切迫早産などの危険がつきまといます。

シャンプーを1日に何十人も施術するため肌の弱い美容師は手荒れが悪化し、ドクターストップがかかることもしばしばあります。専用のゴム手袋を着用しシャンプーすることも可能ですが、手荒れしているところにゴム製の手袋を着用するため傷口からゴムの成分が体内に吸収されてしまい、ゴムアレルギー(ラテックスアレルギー)を発症する場合も少なくありません。

カラー剤やパーマ剤など薬液を毎日何度も触るため、数ヶ月に一度カラーやパーマをするお客様には害がなくても毎日大量に接触する美容師には害がある場合があり、そちらも蓄積されるとある日突然アレルギーを発症したり、酷い場合にはアナフィラキシーショックになってしまい緊急搬送された例もあるそうです。

理容師・美容師の経験者が必ず言うフレーズ

見習・アシスタントの頃はめちゃくちゃ酷い扱いを受けた。と皆さん言います。
スタッフルームで蹴られる、暴言を吐かれる、いじめられる。
昼食などまともに食べられたことは無い。
ずっと立ちっぱなし。
酷い手荒れが年中治らない。
休みも講習などでつぶれる。

特に、先輩から酷い目にあったと言う話は多いです。
いわば、伝統。部活の上下関係のようなノリです。
今時、バカバカしいですよね?
でも、理・美容院だけではなく職人の世界では多いのかもしれません。
良い悪いは判断が難しいですが、私はそんな伝統?馬鹿みたいと思います。
苦労して、這い上がったものだけが、一人前のスタイリストへ!というのは時代遅れもはなはだしい。
客側としたら、そんな事より技術を身につけることに努力してほしいと思いませんか?
スタッフルームでアシスタントを蹴っているような技術者に髪を触ってほしくない!と感じるのは、私だけでしょうか?

理容師・美容師の将来性はあまりないのが現状

そんな苦労をして頑張り続けて、念願のスタイリストに昇格し、そして顧客もついたら凄い好待遇なんでしょうか?
大型店、個人店、また繁盛具合でも当然変わってくるのですが、普通のサラリーマンと比べると…残念ながらそれほどの好待遇とは言えません。

お給料はそこそこもらえても、福利厚生や賞与、退職金などやその他の手当てを考えたら、一般サラリーマンのほうがよっぽど労働条件は良いといえます。

そして、自分のお店を開業するのが夢という理・美容師さんは多いですが、それで悲惨なことになる方が多いのも現状。
これほど店舗が増えると、あたりまえですが儲かるほど繁盛するはずもありません。
最近は、設備もすべてリースで開店できたりして、店を閉めることが簡単になったことから、お試し開業する人も多いと聞きます。
ダメならまた雇われで働こうという事なのでしょう。
中年になってから、雇われて働くといっても待遇は悪いでしょうね。
年収300~400万程度…がずっと続くのは寂しすぎませんか?

そう考えると、将来性があるとはとてもじゃないですが思えません。
儲からなくても好きだからやる!という人じゃないと続かないのではないでしょうか。
そして、ひとりで好きなお店をのんびり経営していくというのが、最善かと思えます。

最近はブラックな労働形態は減っている?

最近は少しずつブラックな労働形態は減ってきた。という噂を耳にするようになりました。
それは、恐らくチェーン店などの美容業界に新規参入してきた企業があるからだと思います。
1000円カットや、カラー専門店なども増えてきており、コスパ重視のお店はマニュアル化されて、今までのような労働形態ではないお店も増えてきたのだと思います。
ただし、それは普通の理・美容院とは違います。
見習から務めるような、一般的なお店ではあまり変化はないのかもしれません。
どこかで、そんな風習は断ち切って、もっと労働環境を変えていかないと、どんどん美容業界は廃れていくのではないでしょうか?
それに気づくのはいったいいつなのでしょう。
美容院が無くなって、新しいものがうまれないと無理なのかもしれませんね。

まとめ

ブラックかどうか?と問われれば確実にブラックといえる労働形態です。
これが今だにまかり通っているのが、不思議なくらいです。
美容学校のありかたも色々と問題がありますし、イメージで美容師を目指して後に後悔されている人は多いと思いのではないでしょうか?
どんな仕事も、裏を返せばブラックな面はあるのかもしれません。
ですが、将来性も期待できないとなると…何のために頑張るのか?がみいだせないのではないでしょうか。