まず、ブラック企業であれば仕事をバックレてもいいのか?という問いに対して結論から書きますと答えはNOです。
もちろんバックレていきなり出勤しなくなったところで、人の入れ替わりが激しいブラック企業であればそのまま放置される可能性はあります。

しかしながら、いくらブラック企業であっても突然出勤しなくなれば普通は事件事故に巻き込まれたのではないかと捜索願いを出されたり、自宅まで押しかけられたり場合によっては備品の横領や損害賠償を請求される可能性はあります。
であれば多少の面倒はかかりますが正規の手続きを経て退社する方が面倒はかからないと言えます。

仕事をバックレた場合のメリット

「もう辛い。仕事に行きたくない。いっそのこと無断欠勤を続けてバックれようか。」という考えを持つ方も昨今少なくありません。
それを実行した場合に得られるメリットは正直あまり多くありません。それは時間を大幅に節約して精神的安寧を得られるという点です。

通常退職するには最低でも2週間の時間を見なくてはなりません。その時間を短縮して今日からもう職場に行かなくていいとなればその時間の節約とそれで得られる精神的安寧は大きいでしょう。

しかし、得られるメリットはその程度であると言えます。
後述しますが本来受けられるはずの公的補助も受けられなくなる可能性が非常に高くなります。
人の入れ替わりが激しいブラック企業であれば突然バックレたとしても一人にかかずらわっている暇はないので放置されるという可能性はありますのでバックレが成功する可能性はあります。

ですが、普通であれば何らかの連絡は入りますし、自宅に押し掛けられる可能性もありますのでオススメはできません。
バックレる事で自分の方に弱みが出来てしまうのでバックレずに正規の手続きを粛々と進める方が後の面倒ごとを回避できます。

仕事をバックレた場合のデメリット

 

 

失業保険が受けられない

雇用保険へ加入していれば失業保険が受けられなくなる可能性が高いです。加入者本人に瑕疵のある解雇であると見なされる可能性が高いですし、離職票をもらえない可能性が高いからです。

離職票は退職者が希望しない場合は出さなくてもいいという事になっています。離職票がないと失業保険の申請ができませんので結局バックレた職場に連絡をとらなくてはならない事になります。

職場に連絡を取って離職票を貰うか、離職票を貰わずに失業保険を諦めるかのどちらかの選択を迫られますが、どちらにせよ厳しい選択になるかと思います。

損害賠償を請求されるリスクがある

本来提供するべきだった労務を「無断欠勤」によって提供されなかった場合、債務不履行とみなされる可能性があります。その場合、結果的に生じた企業側の損失について、損害賠償責任を追及される可能性があります。

たとえば、退職しようとしている従業員が無断欠勤を続けたがために新規出店が遅れ、本来見込んでいた売上が達成できなかったとか、他の店舗の社員が応援に入ることによって余計な交通費が発生したとか。どの職場もギリギリの人数で業務を回している場合、1人の無断欠勤が大きな影響を与える場合があります。

法律の実務上、こうした損害は、企業側が主張した全額を認められる例はほぼ無いようです。これは、具体的な損害額の立証が困難であることと、雇用契約は労働者保護を趣旨とする各法律に規正されることに起因します。

しかし、実際に訴訟に発展したケースもありますし、損害賠償請求の全額が認められるわけではないにしても、部分的に認められるケースはあります。

従業員側としても、「どうせ損害賠償請求など来るわけないさ」と高をくくっていると、内容次第では無断欠勤と損害額の因果関係が立証される場合もあります。

そうした場合、自分や身元保証人に対する損害賠償が認められる可能性は十分にあるので、無断欠勤で逃げ切ろうというのは避けるべきだと考えられます。

さらにバックレて制服や備品などを持ち帰っている場合はさらに大問題が発生します。業務上横領という罪に問われる可能性があるのです
たとえ制服一枚、ペン一本でもその可能性はあります。

また確定申告に必要な源泉徴収票を送ってこなったり給料を支払わないという可能性も考えられます。

それらは請求する権利はありますがバックレた企業に対してそうした請求をするのは非常に気が重いものになる事でしょう。

損害賠償請求の他にも、労務上のリスクは残る

たとえ損害賠償請求はされないとしても、懲戒解雇にされるリスクはあります。

懲戒解雇の場合は、履歴書や職務経歴書にその事実を記載しなければなりません。

再就職の難易度は一気に上がります。だからと言ってそれを隠して転職すると後述で説明する通りですが、それが発覚したときに経歴詐称として転職先に処罰を受ける可能性があります。

その他では、たとえ無断欠勤をしていても過去に交通費などの未払いがある場合は、請求すれば企業側は支払う必要がありますが、無断欠勤をした手前それらが請求しづらいという心理的な障壁が出てくるでしょう。

 

転職先と無断欠勤して辞めた会社が取引関係になることも

世の中は意外と狭いもので、今勤務している会社も思いの外多くの取引先や協業先を持っている可能性があります。

場合によっては転職先と元いた会社が取引・協業関係にあることもあります。たとえ今はなくとも、将来的にはどうなるか分かりません。

例えば大企業同士では、日本生命相互会社とNTTドコモは協業で「ドコモでほけん相談」というサービスを開始し、実際に日本生命とその子会社からNTTドコモに社員が出向しています。

常識的には考えられない、生命保険と通信キャリアの協業です。他にも日本生命は大手家具メーカーのニトリとも共同で店舗を出店しています。

これは無断欠勤だけではないですが、円満退社できなかった場合、転職先が元いた会社と取引関係にあるとか今後取引関係になり、この無断欠勤社員が対応窓口になることだってあるのです。

そうしたときに、仕事自体が非常にやりにくくなり、生産性が低下することは言うまでもありません。

 

転職先の会社にばれることも

無断欠勤して退職、要は逃げ切ったとしても、元いた会社が転職先を把握している場合、無断欠勤の事実がばれてしまうことがあります。

つまり、内定は出たものの入社か入社直後から非常に悪い印象でスタートすることになります。

最悪の場合、内定自体を取り消される可能性があります。この状態で自分の望むキャリアを追い求めることは非常に難しいことです。こうしたリスクは、特に同業他社に転職するときに高くなるようです。

これは会社として正式に把握しているというよりも、同僚などとの雑談から転職先が割れ、それが上司や経営陣に伝わってしまうということから起こります。

転職先の企業に同僚の友人がいるとかだと、そうした情報は容易に伝わってしまいますから、社内の誰かに転職先の話をしたら、その情報は前者に筒抜けと思うくらいでちょうどいいでしょう。

これは、黙っていれば絶対にばれないということではありません。上記で説明したとおり、転職先と取引関係になったとかを契機に発覚することがあるからです。

転職ではなく、独立起業したとしても同じです。

むしろ起業した際は、「あの起業家はウチの会社を無断欠勤して辞めやがった」という口コミを広められる可能性だってあります。

現代はそうした情報がSNSを介して一瞬で広がります。取引関係になる見込みのある会社も、しっかりした会社であれば取引関係を開始する前に会社代表の身辺調査を徹底します。

無断欠勤が発覚すれば、「この会社の代表は誠実な人ではないかもしれない」とマイナスイメージから入る必要が出てきます。

せっかくステキなサービスや商品を開発しても、過去の無断欠勤が汚点として残り続けるリスクはあります。

 

 

正しい手順で辞める為の方法

では正しい手順で辞める為にはどうしたらいいのか解説していきます。
労働契約は労使双方の同意があって初めて成立します。ですのでまずは直属の上司に辞意を表明しましょう。
そして退職届を書きましょう。退職日は辞意を伝えたその日から2週間後に設定するのがいいです。

また、辞意を伝えた際に忘れずに離職票も希望しましょう。前述しましたがこれがないと失業保険を受ける事ができません。
辞める理由を聞かれると思いますが一身上の都合と言い張るのもよいですが誰もが納得しやすい理由を話しておくのがオススメです。

一例ですが「心療内科を受診しており健康上の問題がある。」「別な仕事に就く」などは比較的納得してもらいやすいです。
理由はウソでも構いませんが実際に心療内科を受診して薬を処方してもらったりしておくと説得力が増すでしょう。また新しい職場を聞かれても答えられませんとツッパネる事も出来ます。
辞意を伝える段階が一番面倒だと思いますが、ここさえクリアしてしまえば後は楽なものです。
引き継ぎを命じられると思いますがそれに従い引き継ぎをして退職日になったら借りていた備品類を忘れずに返却するだけです。
そうすれば源泉徴収票などももらえますしもちろん離職票ももらえます。

退職を拒否された場合の対処法

退職を希望しても「人手が足りない」「引継ぎをする人間がいない」などの理由で退職を認めてもらえないというケースがブラック企業ではよく見られます。

しかし、前にも言った通り、労働契約は労使双方の同意がないと成立しません。また職業の自由は憲法によっても保証されていますのでそういった企業側の言い分は認められないものになります。
また就業規則によって1カ月先、2カ月先でないと退職できないとしているケースもあるかと思います。

しかし労働法では退職する日の2週間前に辞意を伝える事を定められています。当然ですが会社独自の決まり事である就業規則よりも法律である労働法の方が強制力が強いと言えます。
つまり法律上は2週間前に辞意を伝えているのであれば労働者側に瑕疵はなくなります。
就業規則に定められているからと1カ月、2カ月と退職を先延ばしする事はできないのです。

では、どうしても退職に同意してもらえない場合はどうするのかといえば、最終手段にはなりますが「退職届」を書いて内容証明郵便で職場に送付しましょう。
もちろん退職日は「退職届」送付日から2週間後になるよう設定しましょう。
この際、間違えて「退職願」にしないよう注意しましょう。「退職願」だと「会社を辞めたいのですがいいですか?」というお伺いになるので会社側が認めない事ができます。

あとは退職日になったらシフトがあろうがなかろうが出勤しなくても法律上全く問題ありません。もしも離職票や源泉徴収票を送付してこなかった場合、企業が悪いという事になりますので正々堂々と請求しましょう。
ただ、あくまで法律上全く問題ないだけであって、出来る事なら円満退職を心掛けた方がオススメです。

 

最後に

 

昨今ブラック企業と言われる企業は増えているので仕事をバックレて辞めてしまいたいと考える方も増えていると思います。
しかし、ここまで書いた通り仕事をバックレて得られるメリットは少ない割に、そうする事で発生するデメリットは非常に多いのです。

多少の面倒はありますが正規の方法で退職をする方がよいと言えます。
どうしても明日からバックレたいという方の為に退職代行サービスというものも存在します。
このサービスを利用する事で余計なコストがかかってしまう点と関わる人間が増えてしまう為により問題が複雑化する可能性があるのでオススメはしませんがどうしても辞意を伝えられない方はこちらのサービスを利用するのも一つの手だと思います。

案外やってしまえばすんなりと退職に漕ぎつける事が出来ますので勇気をもって辞意を伝える事から始めて欲しいと思います。
もしも辞意を伝えても会社の都合のみを語って退職させてくれないようなブラック企業であれば法律に従って粛々と手続きをすすめて行きましょう。