何故ブラック企業が世の中から無くならないのかと理由を考えると、それは旧態依然とした企業の体質が根深く残っているからではないかと考えます。

現在は働き方改革が叫ばれたり多様な働き方が認められるようになったりしていますが、それでも時代にそぐわないまま企業の体質が変わらずに残り続けているため、ブラック企業と呼ばれる企業が無くならないのではないかと考えます。これから原因として挙げられる企業の体質を大きく4つ述べていきます。

体育会系の体質

まず挙げられるのは、体育会系の企業体質です。上下関係を重んじる体育会系の企業体質の日本企業は多いと考えられます。就職活動において、体育会系の学生が有利であるということは私が学生だった時によく聞いた話です。体育会系の学生を欲しがることは、企業側としても体質に合いそうで都合が良い人材だからだと考えられます。

ある程度の上下関係は仕事において大切なことだと思います。しかし、それが行き過ぎるとブラック企業になるのではないでしょうか。上下関係が厳しすぎると、部下からの意見や要望が挙げられにくくなります。それを見た上層部は、何の意見も無いのだと受け取り、平社員にとっては働きにくくなる方針になってしまうということに陥ってしまいます。

また、それは勤務時間外の飲み会においても言えます。若手社員に対しての飲酒の強要が横行し、「俺の酒が飲めないのか」と上下関係を盾に飲ませる場合があります。若手社員だけでなく酒に弱い体質の社員にもこのような事が行われる事もあります。普通なら止めるような場面だと思われますが、上下関係が行き過ぎると感覚が麻痺してしまい、他の社員も一緒になって酒を飲ませようとする行為に及ぶ場合があります。このように、何も言えないという雰囲気がブラック企業を生み出しているのではないかと思います。

年功序列によって無能な上司が生まれる体質

次に挙げられるのは、年功序列の体質です。現在では実力や成果が伴えば若い社員でも出世出来るような体質の企業も増えてきていますが、それでも年功序列の企業が多いのも現状としてあります。年功序列の体質がある企業では、あまり有能とは言えないような社員でも出世をするため、その社員が上司になった部下は苦労することになります。

マネジメント能力が低い社員が上司になると、長時間労働やサービス残業が常態化するというケースが見られます。常態化すると、長時間労働やサービス残業といった正常でない働き方が正常な働き方だと認識されてしまう恐れがあります。

それによって、将来有望な社員が上司によって潰されてしまう危険性もあります。また、上司が権力を振りかざしてセクシャルハラスメントやパワーハラスメントを行うというケースもあります。今までにも、上司が部下にクイズを出して不正解なら有給休暇を認めないという事例がニュースになり問題となりました。また電通の新入社員が過労死した事例もありました。

このような事例が起こるときに、企業の事なかれ主義や隠蔽体質というものがよく見られます。経営者によっては社員を搾取するということもあります。このように、年功序列という体質によって人の上に立てる器量に欠けている上司や役員が生まれるため、ブラック企業は無くならないと思います。

長時間労働を是とする体質

次に挙げられるのは、長時間労働を是とする体質です。以前の日本では、「企業戦士」や「モーレツ社員」、「24時間戦えますか」という言葉が流行し、長時間働くことを美化したり推奨したりするような風潮があったと聞いています。

しかし、現在では技術の発展等の影響で以前よりも効率的に働けるようになりました。それにも関わらず、これまでのやり方に固執し効率の悪い長時間労働を見直さない企業というものも存在します。残業することは良いことだ、定時で帰るのはやる気がないという空気が流れている企業は未だに多いと思われます。

街頭インタビューで「昔はこれだけ残業して頑張ったのに、今の若者は情けない」とさも残業することが当たり前のように言っている老人の話を聞いたことがあります。以前はこれで良かったのかもしれません。

しかし、現在は機械の導入や技術の進歩などで仕事が効率的になりました。そのおかげで、以前よりも多くの仕事をこなすことが出来るようになったのです。それでも長時間労働を強いるのは、酷な話ではないかと思います。また、以前私が勤めていた企業がそうだったのですが、「残業をしないと生活が出来ない」という声もあります。

私たちは生活をするために働いています。自分のためだけでなく家族を養うために働く人も多いです。それにも関わらず残業をしないと生活が出来ないという声が聞こえてくるということは、企業側が社員の給料を安く設定しているということになります。企業側としての言い分もあるとは思いますが、安い給料しか払えていないこの状況は、長時間労働の温床となります。

このような状況は一刻でも早く是正をしなければならないと考えます。給料のためなら仕方がないという諦めにも似た空気は、同調圧力となって長時間労働が蔓延る原因となりますので、対処が必要です。このように、長時間労働を是とする体質はブラック企業を生み出す原因となっていますので、ブラック企業は無くならなくなっています。

会社に尽くして当たり前という体質

次に挙げられるのは、会社に尽くして当たり前という体質です。日本企業では家庭よりも会社を優先させることが美徳だと考えられてきました。滅私奉公することが当たり前で、会社に尽くすことが出世をする上でも大事なことだという考えがあります。

しかし、現在では会社よりも家庭を第一に考える人が増えてきています。これまであった企業への帰属意識が以前より薄れ、家庭への帰属意識が強まっているように感じます。それにも関わらず、社員は会社に尽くして当たり前という体質を押し付けることがあると思います。

「365日、24時間死ぬ気で働け」という言葉が以前批判にさらされました。これこそが会社に尽くして当たり前という体質の最たる例だと考えます。この言葉は、常に家庭よりも会社を優先するべきという体質を如実に表しているのではないでしょうか。

家庭のことなど顧みずに仕事をしろと企業に古くから残っている体質の押し付けになっていると思います。社員一人一人会社を優先するか家庭を優先するか、価値観は異なっています。それを企業側が自分はそうやって働いてきたからお前もそうしろというのは横暴ではないかと考えます。

こういった体質は柔軟に変えていく必要があります。また、仕事の電話は休日でも出て対応しなければならないということもあります。実際に私が体験したことですが、私は上司から休日でも電話は必ず出られるようにしておけと言われました。この言葉から、私は休日でも仕事の電話に出ることは当然で、休日を削ってでも仕事をしろと言われているような気になりました。会社のためなら、休日を減らすのは当たり前という体質はブラック企業を生み出す背景になるのです。このように、会社に尽くして当たり前という体質があるからブラック企業は無くなることはないでしょう。

まとめ

 

これまで、ブラック企業が世の中から無くならない理由を4つの体質を挙げて述べました。旧態依然とした体質はブラック企業を生み出し、最近ではそれが問題になっています。

この状況から脱却するために、私は企業も社員もお互いに働き方を見直すべきだと考えます。時代にそぐわなくなった体質を変えて、新しい価値観を取り入れることがブラック企業を減らす一つの方法だと考えます。私たち一人一人が自分のこととして、ブラック企業が蔓延しない働き方を模索していくべきです。