まずはボーナスが下がった原因を確認する

ボーナスが下がった場合に、いずれにしてもまずやるべきことは、「ボーナスが下がった原因を確認すること」です。

それによってそのあと取りうるアクションが変わってきます。ボーナスは基本給と違い、原則は「会社・個人業績に対する対価として発生するもの」であるので、本来はある程度変動するのが当たり前です。

日本企業の場合は、特に伝統的な日本的企業ほど、「ボーナスは基本給の〇か月分」というような取り決めみたいなものがあって、変動幅がほとんどない、或いは全くないのが当然という誤解をしてしまっている人もいるかと思いますが、本来のボーナスは「変動して当たり前のもの」です。まずはこの原則を認識しておきましょう。

さて、日本企業の場合の概ね考えられるボーナスが下がる要因としては①会社・部署の業績が下がった②自身の業績・パフォーマンスが落ちた③何らかのルール変更がってボーナスが下がった、といった三つに分類されるかと思います。

後続の章ではこの3つの場合に分けてそれぞれの対応策を整理してみます。

ボーナスが下がる要因①会社・部署の業績が下がった

日本企業のボーナスの場合、完全に個人の業績だけでボーナスの多寡が決まることは少なく、大抵まず会社業績と賞与引当金を基に、その時の全社的な賞与ボリュームを決める、そして、各部署の収益目標の達成度合いや、会社に与えた好悪インパクトの大きさを基に、部門・部署ごとの賞与総額を決め、その金額を部内の各人の成績に応じて振り分けるという立て付けになっているのが基本です。

賞与の金額が固定化してる企業がこれが有名無実化して、「会社全体・部署全体の賞与規模は、(ほとんど利益の良し悪しにかかわらず)これくらい」と決められているので、賞与の金額が固定化するというわけです。

しかし、原則から言えば、まず会社業績・部門の業績が悪ければ、基本的に賞与というのは自分がどんなに頑張っていても下方圧力がかかるということになります。

これは組織にいる以上は一定程度やむを得ない構造と言えるでしょう。こうした弊害を完全に排除したいなら、完全歩合制の雇用形態で働くか、もしくは自身で起業して自身の報酬全てを自身で稼ぐようにするしかありません。

従って、まず会社業績・部門業績の悪化によるボーナスの下落は「発生して当然のもの」ではあります。そのうえで今後の取りうる対応策ですが、まず、業績の悪化が会社全体なのか、部門なのかを確認し、そのうえで「その悪化は一時的なのか、しばらく続くのか、衰退産業などで構造的なものでもう好転は見込みづらいのか」自分で見通しをたてます。

悪化の程度問題にもなってきますので、最後は自分で判断するところですが、少なくとも悪化が一年・一時期で済むのであれば、一般的には安易に今の仕事から離れることは考えず、次の好転期にむけて自分のできうる範囲で業績を高めておくことが最良の選択だと考えます。

そして好転したタイミングで自分のパフォーマンスも高めておくことで、会社・部門の好機×自身の業績の好機を重ねることができ、今回のボーナスの下落を取り戻すくらいの高いボーナスを手にすることができるでしょう。今の業績悪化の時期を将来に向けた種まきの時期と捉えるのです。

業績悪化が当面続く場合は、「当面」が何年程度なのか、その間自分のキャリアはどうなるのか、を総合的に考えて、上記同様に種まきとするか、社内のジョブ転換・転職などを検討するかに判断は分かれます。

一般的には若い人はあまり安易に動かず長く構えたほうがいいです。

好転することには自分のキャリアも上がっていて、より高いボーナスのベース評価の下、業績も回復することで高いボーナスが将来得られるかもしれません。

逆に現時点でシニアに差し掛かっている人は、早めに転職・ジョブ転換を検討するというのも選択肢になってきます。

次の業績回復期の時に、自分のキャリアがもう「上がり」の状態になっていて、ボーナスのアップサイドが期待できない可能性があるからです。

最後に、構造的な業績悪化の場合は、基本的には部門転換・全社的なものならば転職という選択肢が有力になってきます。待っても回復が見込めないなと判断した場合は、躊躇せず思い切って動いてしまうことが大事です。

ボーナスが下がる要因②自身の業績・パフォーマンスが落ちた

ボーナスの下落の原因が自身のパフォーマンスに起因する場合は、パフォーマンスを回復させることができそうかどうか、にかかっています。

自身のパフォーマンスにおける課題が明確になっている場合や、回復させる余地があると考えている場合は、最優先にそれに取り組むことで、今回のボーナスの下落は一時的なものということにできるでしょう。

ほとんどの人は、常に好成績を上げ続けるということは不可能なので、大事なのは自身のパフォーマンスが下がった後に、それを回復させる余地はあるか、そしてそもそも回復させる余地があるかどうかをわかっているかどうかです。

もしも、自身の業績が上がりそうにない場合、現職が向いていないと強く感じている場合は、まず会社内で配置転換の余地がないか見てみましょう。

現在は大企業などを中心に社内公募制度、「ジョブチャレンジ制度」などがあり、別のラインの仕事に就く機会が豊富に与えられている場合も多いので、まずはこうした制度の利用により、自身のパフォーマンスがより高められる仕事に就けないか考えましょう。

ジョブ転換が難しそうであれば、或いは社内のいずれの仕事も自分の力を発揮するのは難しそうだと思った場合は、転職をするのも一案です。

ただし、注意したいのは、転職というのはリスクを伴うもので、社内で「うまくいかなかった人間」がそう簡単に「他社ならうまくいく」とも限らないことです。

そのあたりのリスクをしっかり理解しながら転職にむかうことをおススメします。また、基本的にはボーナス下落だけを理由とするならば、まずは安易な転職よりも、より今の自分と親和性・コネクションがあるであろう社内で別のジョブを探すことを優先した方が良いでしょう。

ボーナスが下がる要因③社内の何らかのルール変更がってボーナスが下がった

ボーナスの支給ルールは会社により千差万別ですが、業績や定性評価を変数とした一定の方程式・関数・ルールを基にベースのボーナスを取り決めている場合も多くみられます。

そうした場合、その関数やルールは労働組合や人事部・或いは全社的に取り決められているものですが、一定のタイミングで、社会構造の変化などを理由に、この関数式やルールが変更となることは当然想定されます。

そういった場合、基本的にはボーナスの変動があまり発生しないようにルール変更がされるのが普通ですが、それでも多少は変化する・場合によっては個人・会社・部門いずれの業績も横ばいでもボーナスが下がるという展開も想定されます。

こうした場合は、そのルール変更が「フェアなのか」どうかを冷静に判断することが肝要です。一般的にはイーブンに近い形でルール変更がされるのが普通です。

今回下がった分今後は上がりやすい、もしくはアップサイドが狙えない分、極端に下がることもない、など良し悪し入り混じる形となるはずです。その場合であれば、今回下がっていてもその分はどこかで埋め合わせられるはずなので、冷静に機を待ちましょう。

一方もしルール変更が社員に不利=ボーナス総体として下がりやすい・上がりにくいルール変更であった場合には、賞与は基本的に永続的に下方圧力がかかることになります。この場合はこの隠れた「賃下げ」を許容できるか判断し、難しい場合は転職しましょう。

この場合は大抵全社的なルール改悪になるかと思いますので、社内でのジョブチェンジというよりは転職が基本的な方策となります。