ダンサーとしてやっていく不安から転職を決意

 

 

遡ること7年前、そもそもは「バリバリ働くキャリアウーマンになりたい」と思い進学を志した私でしたが、大学在学中にストリートダンスに出会ったのが人生の転機でした。

卒業を控えた4回生の夏、周りが懸命に就職活動に勤しむ中、会社で働くことの意義をどうしても見出せず、ダンスでどうにか食べていこうと決心したのは22歳のときでした。

その後、ダンスで生計を立てるため、また自分の理想を叶えるために、貧乏ながらに無我夢中で働いた7年間夢だったように思います。

夢のためなら多少の苦労は買って出るつもりで突っ走ってた数年感でした。

しかし限界を感じはじめたのは29歳になるときでした。

私にとって前職を辞めて転職しようと思ったきっかけはズバリ「夢か現実か」の駆け引きにあります。

私は大学卒業後、ダンスで生きていくために上京したのですが、ちょうどその頃は就職氷河期とよばれる時代で、いくら地道に就職活動をしようがなかなか内定が決まらない友人を見て、「自分の特技を活かして仕事にする」という思考回路は正しかったと自負しています。

しかしながら、ダンサーとして調子が良かったのは初めの4年ほどでした。

駆け出しのダンサーということで先輩からのおこぼれをもらったり、新人なら安く使えるだろうと見込んだ広告代理店にいくつかオファーをもらいながら何とか稼いでいました。

ところで、30歳ともなれば、ダンサー界では本来なかなかの大御所だったりします。

10代から才能を発揮し、その若々しい美しさからメディアにたくさん起用されるのも又、若さゆえに成し得る技。

単価の低い仕事でスケジュールが埋まり、結局人の穴埋めのような形で消費されていく私自身に嫌気がさしたのも事実です。

大御所とまでは言わなくとも中堅と呼ばれるようになった28歳頃にして、ようやく「これで良いんだろうか」と不安を抱くようになりました。

そして30歳になった今年、ダンスは趣味でも続けられること、又周りの理解があればそれを副収入にできることを理由に、転職を決意しました。

 

ダンスしかやってこなかったことで転職活動で苦労

 

転職活動中に最も苦労したのは、ズバリ「話す力」です。

それまで自分の得意なことにフォーカスし、苦手なことからはとことん逃げてきました。

今更「あなたの特技はなんですか?」と聞かれても、ダンスのことしか話せないことが辛かったです。

「自分の売りはなんだろう?」と考える上で、ダンスというフィールドを飛び出すと他に何も語れることがないのも事実でした。

そしてダンスで挙げた功績がこれといってありません。

結果的に、自分自身のあらゆる欠点と向き合うことになりました。

そんな中、救いをくれたのは3社目に受けた税理士事務所の先生だったんです。

その先生は「間違わず生きていけば難なく職につけたであろうあなたが、夢に向かって数年を費やしてきたことは誇りに思うべきだよ」と言ってくれました。

法学部に在籍し、ゼミで税法を専攻していた点も高く評価して頂きました。

そして「まずは簿記とFPの試験に必ず受かるため努力してくれるなら」を条件に私を雇ってくれたのです。

重ね重ねですが、転職を決めたのは30歳のときです

決して若くない30歳という年齢の私に希望を持って雇ってくれた先生がたには本当に頭が上がりません。

結果として、安定収入を得ながらにして定時には必ず帰らせてくれ、「生き甲斐になる夢を捨ててはいけません」ともう一つの夢をも応援してくれています。

こんな素敵な転職先はなかったと今でも思っています。

 

周りの支えもあり充実した日々

 とはいえ転職後、全く領域の違う専門職に身を投じたことによる苦労は大変なものでした。

それまでは細々とはいえ自営業者として働いていたため、起きる時間や空いた時間の使い方に至るまで、スケジュールは自分自身で決めることができました。

しかし、事務員という型にはまった働き方においては、もちろん自由はありません。

自由度でいうとかなりのギャップがあったため、まずはその違いを埋めることに息苦しさを感じる日々だったように思います。

又、ダンサーと事務員といえば180度真逆な職種です。

毎日身体を動かして1日を終えていたそれまでと比較し、終日イスに座ってパソコンを前にカタカタ入力作業をします。

夜はお付き合いでクライアント先の社長さんと夕ご飯も食べます。

ずっと事務員をされている方からは「何を言ってんだ!」と叱られそうですが、私にとってはとにかく座りっぱなしがキツくて仕方なかったのです。

同時に、周りと足並みを揃えて時間を過ごしていくこと。毎日先生のサブいおやじギャグに付き合わされることも、苦痛といえば苦痛でした。

 とは言えトータルでみれば、こんな私を拾ってくれたことに心から感謝しています。

狭いオフィスに閉じ込められれば、たちまち何の取り柄も特技もなかった私を、必要な知識もほとんどない状態で、税理士の先生方は常に私のポテンシャルに期待してくれました。

先生方が良くしてくれるからこそ、それにどうにか答えようと必死に勉強も頑張れました。

今では幸い資格試験にもなんとか受かり、少しでも事務所の力になろうと邁進する日々です。

私の場合、転職は「やって良かった」と言えるチャレンジです。