人間関係が悪化し退職を決意

 

私は高校を卒業してすぐ、地元ではそこそこ有名な会社へ就職しました。

高校時代にイラストレーターやフォトショップに出会い、それらのソフトを使った仕事をしたい!と強く希望したため、DTP制作のできる会社を選びました。

入社した当初、私が配属されたのはまだ立ち上げたばかりの部署でした。

課としてのノルマなどは新しい部署だったせいか特に厳しく設定されていなかったため、課内の雰囲気は和気あいあいとしていました。

他部署では女性同士のいじめなどがあって、同期が何人も辞めていく…なんてこともありましたが、私が配属された部署では、プライベートで先輩と遊びに行くなどの交流があるくらい仲が良かったので、恵まれていると感じていました。

しかし、入社して6年目のことでした。

会社の創設者である会長の息子さんが社長に就任されたのをきっかけに、会社は大きく変化していきました。

「新しい風」「変革」「社員一丸」などを全面的に押し出した政策により、これまで管理職の方々が行ってきた細かな業務を一般職(現場や事務の方々)である社員にまで求めるようになりました。

いわゆる「やりがいの搾取」です。

もともとどの部署も定時に帰れることが無かった会社でしたが、通常業務以外の仕事が増え働いても働いても仕事が終わらない日々が続きました。

その結果、新社長就任後2年もしないうちに各部署に最低1人は鬱病で休職中の方がいるような状態に陥ってしまいました。

私が所属していた部署も始めのうちは皆で助け合いながらも頑張っていましたが、あまりの忙しさに参ってしまい、最終的には仕事を押し付けあうようになり、陰口を言ったり特定の方を無視して辞めさせるといった最悪の環境へと変化してしまいました。

仲の良かった先輩とも一切プライベートでの付き合いが無くなり、精神的にも肉体的にも辛かったです。

また結婚してからも勤めてはいましたが、家でも仕事をしているせいで家事は疎かになり常に後ろめたさを感じていました。

次第にこの会社で働くことがバカバカしくなり、10年目で退職を決意しました。

 

自分に合った会社を求めて転職活動

 

会社を辞めてからはしばらく無職でしたが、それまで死んだ魚のような眼をしていたのが、だんだんと本来の自分らしさを取り戻していくのを感じました。

精神状態が健康になったと感じたのは、会社を辞めて半年以上が経過したころでした。

そのころには蓄えていた貯金が随分と少なくなって「このままじゃまずい!」と感じた時期でもありました。

転職するにあたって、同じ過ちは繰り返さないことを肝に銘じ会社選びをしました。

この点において大手の企業だからといってブラック企業ではないことを知っていたことは非常に良かったと思います。

また就職先がすぐに見つからなかったの、今思えばいい薬だったような気がします。

未経験でも興味のある仕事には積極的に応募しましたが、3社ほど立て続けに落とされたため現実を見つめる良いきっかけになりました。

4社目に応募するときは自分の経験や年齢、既婚者であるなどの条件をしっかりと考慮したうえでより真剣に仕事を選ぶよう心掛けました。

冷静に考えると至極当たり前ではあるのですが、高校を卒業してそのまま10年も同じ会社にいると少なくとも自分の場合はそういった常識的なことですら知る機会がありませんでした。

 

給料があがり人間関係も改善

 

転職先は社員10人ほどの小さな会社を選びました。

人員が少ないので皆が幾つかの業務を兼任したりしていて大変ではありますが、ぎすぎすとした雰囲気はなく、非常に過ごしやすい環境だと感じています。

また以前の会社では1000人以上の従業員がいたので、会社における従業員の扱いは基本的に使い捨てのような状態でした。

しかし小規模の企業では1人1人における責任の重さが違います。

よほどのポンコツでない限りは「その人にしか出来ない仕事」が必ずあるので、社員を大切にしてくれているのが伝わってきます。

実際売り上げの規模は前の会社に比べると少ないですが、分母が小さいのでボーナスが多い時で10倍に跳ね上がりました。

「その人にしか出来ない仕事」というのは会社にとっては良くない状態ではありますが、仕事にやりがいや居場所を求める人にとっては良いことだと思います。

こういった考え方は転職し、今の仕事に出会っていなければ知る由もなかったことだと思います。

同じ場所に長く勤めることは大変なことです。

それ自体は素晴らしいことだとは思いますが、社内でしか通じない常識や概念にとらわれて年をとることは、人間としての成長の妨げになっていたのだなと感じることが多くあります。

私が10年勤めていた部署は、同僚のほぼ全員が高校を卒業してすぐ入社した方ばかりだったせいかも知れません。

価値観や経験が似通った人間ばかりの環境だったという意味では、やはりあのまま同じ場所に留まっていたら現在のような知識も物の考え方も出来ず、幼い大人のままだったように思います。

辛い経験ではありましたが、転職し今の職場と巡り合えたお陰であの10年も無駄ではなかったのかな、と前向きに考えられるようになったのは本当に良かったと感じています。