程度の差はあれど、営業職はブラックな職場が多くなります。
しかしそれには理由があります。会社として利益を追求したり、お客様の要望に応えていくうちに、会社の方針とは関係なくブラックな職場になっていきます。

たしかに古い体質の上司が理不尽にブラックな職場にしているケースはどの企業も改善してきています。
なぜ営業職にブラック職場が多いかがわかれば、少し納得して仕事ができるのではないでしょうか。

 

【理由1】お客様最優先

 

大前提として、営業職は「お客様」という自分たちではどうすることもできない要素を抱えています。

ある意味お客様の為に働いているようなものですので、自社の商品やサービスを売り込むには、極力お客様の要望に応えていかなければなりません。
商品そのものや、料金体系は簡単には変更することはできません。

そうなった場合に営業職ができることが、自分の可能な範囲で誠意を示すこととなります。
お客様が希望する時間に訪問する、連絡があれば即時対応する、どこへだって出向く。そうやって合わせていくうちにどうしても勤務時間は長くなっていってしまいます。
有給も取り難くなっていき、まず自分自身が休みの日でも落ち着いて休めなくなります。

法人営業と個人向けの営業でまた変わってきますが、例えば法人向けですと接待なども仕事として入ってきます。時には休日を返上してお客様に付き合わなければならないこともあります。
ターゲットも限られてきますし、金額も大きくなりやすいので、一社が占めるウエイトが高くなります。
そうなると多少の理不尽は飲み込むことになります。

個人が相手の場合は、お客様の都合を考えると、土日に働かなければならない率は高くなります。
また、お客様側は法人ほどの責任感もありませんので、クセの強い人も多くなります。驚くほど横柄な態度で降りまわされることもあるでしょう。
個人のお客様の場合、営業を受けること自体を嫌う人も多くいますので、非常に苦労の多い職場になるでしょう

以上のようにお客様に合わせて対応していくと、自然とブラック職場の条件に当てはまっていくのです。
しかし売り上げの為と考えると、営業職は普通に順応できてしまうのです。

 

【理由2】他社とお客さんを取りあうことで競争が起こる

営業職にとってお客さんというものは絶対的な存在です。
お客さんがいなければ仕事として成り立ちませんし、お客さんに選ばれなければ成績が上がりません。
そのため、お客さんの都合や満足度を最優先に考えることになりますので、働いている人間の都合などは二の次になります。

そしてそれは他社との競争でもあります。同じような商品を扱う会社とはお客さんを奪い合うことになります。
その戦いに終わりはなく、常に他社よりもより良い商品を提供し、サービス面でも差をつけていくかということが企業にとっては重要な問題となってきます。

他社よりも優れたサービスというのは営業職の献身も含まれています。
いかに気を遣うことができて、他社がやらないようなことをお客さんのためにできるかというのが営業職に求められています。

その多くは営業職に大きな負担を与えることになります。
きめ細やかなサービスを提供しようとすれば、時間がかかるのは当然で、それは営業職にとっては残業時間となって圧し掛かってきます。
金額面でサービスをする場合も、結局はその売り上げの差分は数を取ることで稼がなければならないので営業職の仕事が増えるだけです。

その奪い合いの結果は売り上げという非常に分かりやすい数字で表れます。
「営業職は結果がすべて」とはよく言われますが、この売り上げがなければ今までの努力は何の評価にもなりません。

他社との競争に負けることは、会社にとっては生き残れるかどうかの問題にも繋がってきますので、会社も必死です。

営業の責任者は会社の上層部より責任を求められますので、その部下に対して発破をかけて奮起を促すでしょう。責任者に言われた中間管理職の人は強く言われていると自分の立場も危ういのでその下にいる現場で働く営業職にさらに強く当たることになります。

この構図により、営業職はどのポジションにいても異常なまでのプレッシャーにさらされることになり、時には成績を上げられないことにより人間として扱ってもらえないというような悲劇すら起きてしまうのです。

 

【理由3】事務作業をする時間がない

 

個人のお客さんを相手にする営業職であれば、基本的に日中は外周りをすることになるでしょう。
取り扱い商品にもよりますが、提案すべきターゲット数多くいてそこに向けてひたすら足を運ぶことになります。

店舗でも営業だとしても、来店したお客さんへの対応や電話での追客など、やらなければいけないことはいくらでもあります。
そうなってくると自然と多忙になってきて、肉体的にも精神的にも休まる時はありません。

お客様の時間都合に合わせると、常に社外にいなければならない場合もあります。
仮に社内にいても、頻繁に鳴る電話応対に追われて自分のペースで仕事ができなくなります。

そうするとどうしても事務作業は営業時間外に行うことになります。
資料作りや売り上げの報告の提出など、やらなければならないことは目白押しです。

資料作成などはサポート業務の担当者が代行してくれる場合もありますが、自分で丁寧に売り込もうと思えば完全に他人に任せるというわけにもいきません。
報告書などは自分で書かなければ意味はありません。
お客様と向かっている以外の時間も非常に長いために全体の勤務時間も長くなるのです。

その結果、残業はもはや当然となり、深夜まで働くことも珍しくないというブラックな環境が出来上がるのです。
多くの場合は土日が書き入れ時なので休みをとることができませんし、平日でも固定の定休日があるならまだいいですが、成績を上げるためには休んでいられない気にもなってきます。

営業日にやり切れなかった社内での作業を定休日にまとめて行おうという考えも出てきますので、休日を取ることは難しくなります。
会社で定められた休日すら返上する可能性があるのですから有給休暇など考えることもできません。

もっともこれは個人の裁量による部分でもあります。報告書などの決まったものを除けば自己判断で削ることは可能です。
しかしそれで営業成績が落ちてしまったらと考えると、どうしても働かずにはいられなくなってしまうのではないでしょうか。

 

【理由4】顧客の力が強過ぎてブラックになる

法人を相手にした営業職の場合は個人相手とは違って一つの顧客が持つ力が強くなり過ぎるケースが多々あります。
会社によってはそことの取引が停止になるだけで、存続の危機にさらされる可能性もあるなど顧客に運命を預けることになります。
そうなってくるとその顧客からは何を言われても対応せざるを得ない状況にも陥りやすくなります。

無理難題をふっかけてこられても、個人のお客さんであればその人はお断りしてしまえば済みますが、大手企業相手ではそうもいきません。
さらにやっかいなことに、大企業同士は横のつながりもあるので一社にしたことは他の会社に対してもしなければならないことになります。

また相手の担当とのやり取りでも、相手は会社の看板を背負っていますので非常に気を遣うことになります。特に決裁権がある人に対しては王様のように扱わなければならず、遅くまで接待することや、深夜の呼びだしでも対応しなければいけないというのは珍しい話ではありません。

顧客が働いている間はこちらも休むわけにはいきませんので、常に気が休まりません。
先方の担当との業務時間外のコミュニケーションについては個人の努力として扱われ、仕事の一環だとしても残業と認めてもらうことは難しいです。会社によっては経費も支払われません。

会社の規模の差が大きければ大きいほどこの問題は日常的に発生します。
こうした問題で常に割を食うのが営業職で、会社間の問題でも個人の力量の責任にされることも多いです。
勤務時間はプレッシャーにさらされて、プライベートも浸食させれますのでブラックな環境だと感じることは多くなってしまいます。

 

【理由5】営業が頑張らないとはじまらない

 

企業は利益を上げなければ成り立ちません。そのためには営業活動が必須となります。
どれほど素晴らしい商品やサービスがあっても、知られなければ何にもなりません。
それだけ理業職は重要な役割を担っていて、ハードです。

そうした時に営業に対しての風当たりが強くなりがちなのは仕方がない部分はあります。
また、営業職は数字というわかりやすい評価軸が存在します。数字で自分の価値を判断されやすくなってしまうために、厳しく当たられることも多いです。

人格を否定するものや、理不尽すぎる指導は問題外ではありますが、会社の仕組みとして営業職には売上という結果が求められます。
会社のトップから売り上げについての指導が責任者に入り、責任者から管理職に入り、そして管理職から現場の営業職に入ってきます。
この流れの中で、誰もが自分の立場を守るために厳しい指導をしてしまうのです。

営業には競合他社もいますのでそこに負けないためには、他社以上に働かなければならない状況に陥ります。
グループや個人間の競争も数字という指標がはっきりしている分、生じやすくなるのでライバルに負けないためと考えるだけでも懸命に働くことになります。
そこでいろいろと無理をしてしまうので、ブラック職場になってしまうのです。

 

営業職はブラック職場を避けられない

 

営業職は外的要因も多く存在する為に、ブラック職場にしてはいけないとわかっていてもなかなか改善されない部分があります。
結果主義で、誰よりも真面目に働くことが成功の秘訣となっている企業文化は簡単には変えられません。

一方で営業職はうまくやれば自分で時間を作ることは可能です。
拘束時間が長くて辛い時も、自分で時間をコントロールすることで何とか息を抜きつつ乗り越えてください。

当然、営業職と言う仕事は向き不向きがハッキリしてくる仕事ですので、営業が得意な人は比較的やりがいを感じられるかもしれません。

しかし苦手な人は激務なうえに自分の頑張りが評価されないという不遇な扱いを受けることになります。そんな状況にいつまでもいつづけることは難しいです。

精神的に病んでしまう前に転職をすることをオススメします。