激務ややりがいのなさから転職を決意

 

学生時代からの憧れは、東京で出版社に勤めること。
しかし、就職活動をはじめた大学3年生のとき、両親がともに病気になり、長女という責任感から地元東北の公共交通の会社に勤めることに決めました。

理想とは少し違ったけれど、希望通り広報担当となり、時刻表や観光雑誌の制作に携わることができました。慣れてくると、観光雑誌で紹介する飲食店や観光施設の取材で各地をめぐったり、掲載する広告の営業に出たり、自身でデザインソフトを活用して広告誌面を制作したり……。忙しいながらも、充実した毎日を送っていました。

そんなとき、相次いで先輩社員が異動や退職となり、入社2年目にして編集長を任せられることとなりました。誇らしい一方で、担当業務以外にも繁忙期には実際に現場で案内スタッフや受付を行ったり、先輩が行っていた予約受付業務や旅行代理店へのツアー提案の営業を引き継いだりと、人手不足で一人で何役もやらなければなりませんでした。

気が付けば、毎日の退社時間は深夜となり、休日も出張先への移動や平日に対応できなかった案件の対応で追われ、体調を崩すことが増えてしまいました。いつしか、楽しみだった制作の仕事にかけられる時間もなくなり「仕事」から「作業」になっていました。

頑張れば頑張るほど、休みが減っていく。自分のやりたかった仕事とはだんだんかけ離れていく。そんな私を一番近くで見ていた母から、「もう無理して地元に残らなくていいから、好きなことをしなさい」と声をかけてもらい、あのとき叶えられなかった憧れを叶えようという思いが強まりました。

ちょうどその年、弟が地元での就職が決まったこともあり、転職を決意しました。

 

やりがいや働き方に惹かれ転職

 

転職をしようと決めてまず私が行ったことは、上司に退職の意向を伝えること。入社4年目にして、前任も後任もいない状況で、来月辞めますとはとても言い出せませんでした。退職日を半年後と決め、すぐに後任を決めてもらい、引継ぎを行いました。

退職前の1ヶ月は、これまで一度も使えなかった有給休暇を活用して東京へ。「1ヶ月」と期限を決めて、就職活動をはじめました。

しかし今思うとかなりタイトなスケジュール。友人と親戚の家でお世話になりながらでしたので、金銭的な余裕は少しだけありましたが、採用試験に応募してから面接までに1週間以上も期間が空くことがあり、1日1日が過ぎるごとに不安が募っていきました。
だんだん、「アルバイトでつなげばいいかな」「とりあえず内定が出たところに入社して、そこからまた就職活動をしようかな」とよくない方向に考えていました。

実際のところ、学生時代にシステムやデザインの勉強をしていたことと、前職で制作経験があることで、面接に進むとその場で内定をいただくこともありました。しかし、経歴だけで私を選んだ会社で本当にいいのか、人手不足ですぐに誰かほしいだけであればまた同じことを繰り返すのではないかと、悩んでしまいました。

焦らずに一度冷静になろう。自分が本当にやりたかった仕事は何なのか、自分には何ができるのかをもう一度考えよう。
そこから、労働環境や給与も含めて、自分の譲れない条件を整理することができました。今まで質問に答えていただけの面接でしたが、頭がクリアになったことで、自分からその会社について積極的に質問をしたり、職場の見学をさせていただくお願いをしたりと、希望に沿っているかどうかを確かめられるようになりました。

そんなとき、出会ったのが現在勤めている会社です。

憧れていたような出版社ではないものの、印刷物の企画提案から編集まで一連の流れを任せていただけると伺い、やりがいがありそうと素直に感じました。残業や休日出勤が多いイメージがある業界ですが、「働き方改革」をテーマにした商品も扱っていることから、時間と業務管理を徹底し、仕事とプライベートのバランスを重視しているということを聞いて、安心感が生まれました。

また、「女性が長く働き続けること」について伺ったときには、「定年まで働くと考えたら、出産や育児でお休みする期間なんてほんの一瞬です」「女性管理職もたくさんいます」との回答で、とても感動してしまいました。
ひとつひとつの質問に対してとても丁寧に対応してくださって、社員を大事にしている会社ということがひしひしと伝わってきました。

 

自身の転職活動を振り返って

 

この会社に勤めて2年が経とうとしています。

前職での経験に加えて、新たにできることが増えたこともあり、大きなプロジェクトも任せていただけるようになりました。忙しいことには変わりないですが、仕事とプライベートのバランスをうまくとりながら、毎日楽しく過ごしています。

心に余裕ができたことで、前職では考えられなかった後輩の育成や、チーム全体の業務効率化にも、最近は力を入れることができるようになりました。この会社で編集としての腕を磨くとともに、ゆくゆくはグループ全体をまとめていけるようになりたいという目標もできました。

これから転職を考える方々に私の経験から伝えたいことは、「焦らないこと」と「自分のやりたいこと、将来のビジョンを明確にする」ということ。転職活動中は、ついつい内定がゴールになってしまうこともあると思います。しかし、そこで一度冷静になり、原点に立ち返ることでやりたいことを実現させてもらいたいと思います。