転職を考えている方のなかには転職エージェントを利用する方が多いですね。転職にかかる全面的なアドバイス、案件発掘から年収交渉まで対応してくれる転職エージェントは積極活用したいものです。

現在は数多くの転職エージェントが存在し、それぞれ特性も様々です。人によっては「複数のエージェントを使うべきか、一つにすべきか」悩む場合も多いようです。そこで今回は、複数の転職エージェントを使うメリット・デメリットを整理します。

 

 

基本的には複数転職エージェントを利用するのがよい

 

まず先に結論を書いてしまいますが、基本的には複数の転職エージェントを用いることは問題ないです。むしろこの後紹介するようなデメリットが皆様にとって大きすぎない限りは、複数のエージェントを利用することがおすすめです。

よほど多くを利用する場合は手間の方が大きくなってしまい考えものですが、2〜3社を利用して複数のエージェントのアドバイスを取り入れ、また案件発掘をすることで、より皆様にとって望ましい転職先が見つかるでしょう。

 

複数の転職エージェントを併用するメリット

 

まず複数の転職エージェントを利用するメリットをまとめましょう。前述のとおり、基本的には複数の転職エージェントを使うことは「メリットの方が大きい」ことをまず念頭に置いてください。

 

多くの案件が受けられる

まず最大のメリットは簡単で、より多くの案件紹介が受けられることです。転職エージェントはそれぞれ得意分野がバラバラです。転職エージェントの会社が違えばもちろん違いますし、下手すると同じ会社でもエージェントにより異なります。

さすがに一社で複数のエージェントとコミュニケーションをとるのは難しいですが、複数社のエージェントと相談することで、一社では紹介してもらえなかった案件に出会えることは充分ありえます。複数の転職エージェントを利用することで、皆様の転職先の可能性は明確に広がるでしょう。

 

選択肢の幅が広がる

次に複数の転職エージェントのアドバイスを受けることで、よりバイアスのない意見を取り入れることができ、皆様の転職活動や面接に向けた準備が洗練されることが、第二のメリットとしてあげられます。

転職エージェントはなるべく公平に皆様にアドバイスをしているつもりですが、やはりどうしても個々アドバイスのしかたに偏りが出ます。皆様の志望動機のロジックにこだわる人、面接でのパッションを伴う受け答えを重視する人、様々です。

また、オールマイティーな業界に精通した人、金融など特定業界の対策が得意な人など、得意な業界、カテゴリが異なるということもあります。複数の転職エージェントのアドバイスを受けることで、皆様に過度なバイアスがかかることを防ぎ、やはり転職活動の可能性が広がると言えます。

転職エージェントとアポを取って面談に行くと、キャリアコンサルタントが1人担当者としてついてきます。彼の会社に入る情報をもとに、さまざまにアドバイスをしてくれるのですが、一人のコンサルタントの意見を鵜呑みにするのは危険です。

求職者の希望する職種が、そのコンサルタントの不得手な業界だと適切なアドバイスができないことがあります。例えばあるエージェントで「○○さんの年齢と経歴だと、△△の業界の求人は難しいですね」と言われても、別のエージェントに行けば「○○さんの年齢で未経験枠の求人がありますよ」と言って紹介されることもあります。

しかし、最初の転職エージェントで仕入れた情報を別の転職エージェントに持っていくと、最初のエージェントとは異なった意見をくれます。

転職エージェントという商売は「内定者の年収の30%(この辺が相場)を手数料として求人企業から受け取る」というビジネスモデルですから、何としても自分のところから内定を出したいのです。

だからライバルとは違った観点からアドバイスをして情報を提供してくれます。転職活動の初期は情報収集が重要ですから、この段階で多方面から情報を手に入れる体制を作れるのが、転職エージェントの複数登録のメリットです。

 

エージェント独占案件の幅が広がる

転職エージェントは求人企業の「独占案件」を持っています。これは当然、エージェントごとに変わります。1社しか登録しなかった場合、そのエージェントの独占案件しか応募できませんが、3社登録すれば、その3社が持つ独占案件は全て応募できるようになります。こうして選考に進む選択肢を増やしていくことができるのです。

独占案件は、求人企業とエージェントの個社同士の信頼関係で成り立ちます。企業からすれば、「このエージェント経由で応募してくる人は優秀なのが多い」と思ってもらえるから「独占案件」ができるのであって、こうした案件は内定にたどり着く可能性が高くなります。

企業は応募者もよく見極めますが、「どのエージェントに独占案件を渡すといいか」もよく見ています。企業の採用担当者は、「A社は求職者をたくさん紹介してくれるけれど、人材の質はイマイチ。

B社は紹介数が少ないけれど、求職者は粒ぞろい」というように転職エージェントを評価しています。その中で信頼できるエージェントに、独占案件を出すのです。独占案件をより多く確保しておくと、結果的に早期に転職活動を終了することができるほか、万一案件が尽きて(不採用になるなど)転職活動が停滞するリスクが回避できます。転職活動が長引くと、現業での職務経歴も増えるので、場合によっては職務経歴書を書き直すことになるかもしれません。

独占案件が転職エージェントの信頼感につながるとはいえ、独占案件の数に惑わされないことも重要です。転職エージェントには得意分野と苦手分野があります。流石にリクナビNEXTやパーソルのような大手転職エージェントは幅広い業界に精通していますが、特定の業界に特化した中小規模の転職エージェントもあります。

こうしたエージェントは業界を絞っているので独占案件の数は少ないですが、その業界に太いパイプを持つ場合が多いので、ご自身が希望する業種業界が明確な場合は積極的に活用しましょう。

エージェント選びの注意点

性質の違うエージェントを選ぶ

 

これら掲げたメリットをより高めるポイントが二つあるので、説明します。まず一点めは、なるべく性質の違う転職エージェントを併用すること。例えば一方が大手求人会社のエージェントなら、他方は業界専門の転職エージェントとするなど。よりエージェントの触れ幅が大きく、紹介案件も異なるため、皆様の転職活動に広がりが出ます。

 

転職エージェントは増やしすぎないことが重要

 

二点めは複数と言っても増やしすぎないことです。人それぞれではありますが、だいたい3社以内がほどよいでしょう。それより多くのエージェントとコミュニケーションをとると、次にあげるデメリットの方が次第に大きくなってきてしまいますので、注意しましょう。

 

複数の転職エージェントを利用するデメリット

 

さて、一方でデメリットについても説明します。

 

カウンセリングに時間が取られる

まず最大のデメリットは、転職エージェントが増えれば増えるほどカウンセリングの時間が増え、企業との面接以外の部分で時間を消費することです。

1つのエージェントから複数の企業に応募した場合、選考の日程調整は担当者が一気通貫でやってくれます。面接においては例えば2社選考が進んでいる場合、午前中に1社、午後にもう1社など効率の良いアレンジをしてくれることがあります。自分で一方的に応募先に希望する時間帯を告げるのは気が引けることもあるでしょう。

志望度が同じくらいの2社で、1社内定が出たときはその企業に対して「もう1社の選考が終わるまで内定承諾を待ってください」といった交渉をしてくれる場合もあります。もしこうした雑務までやってもらえるならお願いして、現業の負担を小さくしたいものですね。

これが例えば3社の転職エージェントになると、日程調整は一気に面倒になります。3人の担当者に自分で事情を説明して、その担当者たちから応募先の企業に交渉してもらうなどの手続きが必要なので、日程調整だけで相当の時間を使います。

場合によっては、A社の担当者は応募先への交渉もしてもらえたのに、B社とC社はしてくれない、なんてこともあり得ます。仮に自分で直接企業とやり取りできるとしても、1日で複数社の面接を受けるような高効率の日程はなかなか組めないのが実際でしょう。こうしたスケジュール調整の煩雑さが、複数の転職エージェントを掛け持ちするデメリットと言えるでしょう。

また一つの転職エージェントあたり1〜2時間×3回程度は面談が入ります。なので2〜3社に接触するくらいならいいでしょうが、それ以上になるようだと、その時間を使って企業の面接を受けた方がいいのでは?と考えてしまいますね。

 

 

選択肢が多く迷う

またあまりに多くの意見を聞きすぎると、却って自分にとってベストな選択がわからなくなってしまいます。転職エージェントを使う根底の理由は、求人サイトを見ただけでは、選択肢がありすぎて自分にとってのベストな選択がわからないためです。しかし、関わる転職エージェントを多くしすぎると、多くの転職案件が持ち込まれてしまい、結局どれを選択すべきかわからなくなってしまいます。

これらデメリットは相談する転職エージェントを増やしすぎたことでおこるものですから、2〜3社に留めておくことで、デメリットを限定させることができます。

 

まとめ

 

以上のように、基本的には転職エージェントを複数利用することは、皆様の転職活動にとってプラスです。

一方、加減をせずに手当たり次第に転職エージェントに相談してしまうことで、デメリットの方が大きくなってきてしまいます。自分に合った転職エージェントを厳選、併用することで、より効率的、効果的な転職活動を行いましょう。