事務職とは、伝票の整理をしたり、パソコンでデータを取り扱ったり、メールで連絡をしたり、という『仕事』を担当する職種です。
どんな業種の中でも、職場の中の情報や人、物品の流れをきちんと把握して自分がその日にするべき仕事を把握し、記録を残し、翌日につなげていく、丁寧かつ繊細さが求められます。

どんな人が事務職に向いていないのか、ということを考えてみましょう。

 

パソコンが使えない人

 

現在の事務職は基本的にパソコンが使えないと仕事になりません。
マイクロソフトオフィス、ワードとエクセルは基本中の基本です。

また、現在ではさまざまなツールが開発されており、オフィスの中だけでなく、外回りや出張している社員とも常時連携をとって仕事をする状態が当たり前になりつつあります。
よって、パソコンのOSに関する知識やメール、チャット、掲示板などが自由に使いこなせるだけのスキルとネットリテラシーが備わっていない場合には通常業務に辿り着くことが出来ません。

また、オフィス内のパソコンは古いバージョンのワードやエクセルを使っている場合もありますので、そういったものにも順応して業務が出来る柔軟さが無いと、厳しいですね。

 

物事を正確に行おうとせずに、大雑把な性格の人

事務の仕事を行ううえで大事なことは、物事を一つずつ正確に行うことです。数字を扱うことが多いため、1つ誤った数字が出ていて、それをそのままにしていると他のものが全てずれてきてしまいます。

間違うことは人間ですのである程度は仕方がないところではありますが、たとえ間違えてしまったとしても、間違いに早めに気づいてそこから的確に修正していくことが大事になります。

几帳面な性格の人は、自分が間違えてしまうかもしれないことを分かっているため、何回もチェックをしたり、チェックの仕方も視点を変えてあらゆる方向から行ったりして、誤りを限りなくゼロに近づけるように努力をしますが、大雑把な人というのは一度仕事を行ったら間違ってはいないからこれで大丈夫だろうという先入観があるため、間違いのチェックを行ったとしても何となくしかチェックをしていないため、間違いに気づかないということがよくあります。

仮に間違いがあったままにしていると、他の部署に非常に多くの悪影響が出てしまいます。また、事務の仕事は、周りの状況を見ながら仕事をしなければいけません。

自分の仕事を確実に行うことはもちろんですが、場合によったら周りで困っていることを探してフォローすることも大事ですし、急に入る仕事に対しても的確に対応していかなければなりません。一つ一つの仕事を確実に、なおかつ効率的にしていくことが大事になります。

大雑把に仕事をしてしまうような人は事務の仕事には不向きであるといえます。

 

正しい言葉遣いができず、電話が使えない人

 

近年はパソコンやスマホのメールやLINEで連絡を取ることが多くて、電話の音声通話を使わずに多くのことをこなしている人が増えていますが、事務職では社内の連絡だけでなく、客先とのやり取りや問い合わせ対応の電話での通話も普通にあります。

しかし、携帯電話が発達するより前の時代には普通に見についていたはずの電話のマナー(ビジネスマナー)が身についていない人は、業務の話をする以前の問題で躓いてしまいます。
顔の見えない相手に対して、適切な挨拶が出来ないとか、相手の名前が聞き取れず礼を失した対応をしてしまうとか。

会社で電話をとる場合には、誰から電話がかかってきているのか分からない状態でとることが多いため、もしうまく対応することができなかったらどうしようと不安を覚えてしまう場合があります。

電話がくれば必然的に取らなければいけませんが、電話が鳴るごとに不安を覚えてしまっているようでは、他に行うべき仕事にも悪影響が出て効率的に仕事を行うことができないため、不向きであるといえるでしょう。

また通話記録のメモを取れない、といったトラブルが良くあります。
業務にかかわる電話の全てを録音して記録が残せるわけではないので、自分あてでも、他の人あてでも、きちんと記録を残して、必要に応じて伝言するなり、メールして相手に伝えるなどの配慮が必要になります。
しかし、手書きのメモという文化がない若い世代には、そういう部分で周囲と上手く行かない場合も出てきてしまうのです。

また、最近のオフィスでの業務をサポートするアプリケーションでは、こうした情報を瞬時に相手や職場の全員に伝える方法も備えているものがありますが、上記の通りパソコンが使いこなせない場合には無駄になってしまいます。

また、言葉遣いのマナーも重要になってきます。

事務の仕事は、社内の人間だけではなく、社外の人間と対話をする機会というのが全ての仕事の中においても特に多い仕事です。社内の人間の場合は、たとえ多少言葉の使い方を間違えてしまったとしても、今度から気をつけなさい程度の注意で済むかもしれませんが、社外の人間に対して誤った言葉遣いをすることになれば、それはそのまま会社の評判の低下につながってしまいます。

社会人として一般常識を知っていることは当然のことです。たとえ役職のついていない社員であったとしても、いったん社外の人間と話すことになれば、その人は会社の代表、顔になります。

その人だけの問題で済めばまだいいのかもしれませんが、会社全体の体質を疑われてしまいます。会話だけではなくて、メールの対応などでも同様です。友達と会話するような、えっ、と思うような言葉遣いの文面を見つけたとしたら、最悪はその会社との取引が終了ということにもなりかねません。

アナログな、コツコツした作業が苦手な人

 

どんな業種の職場でも、あらゆる伝票の管理が必要になります。
紙の伝票は、以前よりは減少してきて、近年ではだいぶオンラインで決済されるケースも増えてきましたが。
それでもまだ紙の伝票の文化はまだまだ残っており、郵送で送られてきたり、こちらから客先などへ郵送したり、と言う業務が皆無というわけではありません。

それらの伝票を適切に処理し、お金の振り込みをしたり、口座に振り込まれたものの確認をしたり、物品を管理、商品を出荷したり、受領したり、という処理の流れを把握して、期限を守り、業務を行っていかなければなりません。
こうした処理は、どれほどオンライン化・レスペーパー化が進んだとしても、人間がその手と目で物理的に確認をして、丁寧に行っていかなければならない仕事なのです。

伝票を一枚一枚精査し、その数字がおかしいものについては作成元に確認したり、お金の流れをきちんと把握したり、帳票との照らし合わせなどという、まるでカルタのような情報の精査も事務職の一人一人が日常の業務の中で行っていかなければいけない仕事です。

この仕事は会社に入ってくるお金、出ていくお金と直結している、とても大切な業務なのです。
そうしたアナログでコツコツと進めていく根気と注意力が欠如している人には事務職は基本的に向かないのです。

 

仕事のスケジューリングができないような人

事務の仕事は、非常に多くの仕事を抱える状態になります。何時までにメールの対応を終わらせて、何時までに明日までに提出する書類を仕上げて、何時に来るお客様の応対をして、というようにです。一つ一つの仕事をすることがそれほど難しくはないことだとしても、どれから手をつけたら最も効率的に仕事を終わらせることができるかということを考えなければなりません。

仕事の経験がない状態で入社することになれば、上司から最初はこの仕事をやって、終わったら次はこの仕事をやって、というように逐一仕事の依頼が来て、最初はそれをただ一生懸命こなしてついていけばいいだけかもしれません。

しかし、ある程度仕事が慣れてきたら、それを全て自分で考えて組み立てながら仕事をしていかなければなりません。

慣れたときに、終わらせる時期がまだ後の方にもかかわらずこの仕事はやりやすいからまずはこの仕事からというように計画性のない仕事をずっと行っているようであれば、本当に終わらせるべき仕事を終わらせることができずに、周りの人間に迷惑をかけてしまうことにつながり、最悪は会社全体の収益の低下につながってしまいます。したがって、スケジュールをきちんと組み立てずに仕事をすることができない人は、事務の仕事には不向きです。

まとめ

 

事務職は、どんな業種・職場でも一見地味に見られますが、その人たちが仕事の流れのベースをきちんと構築し、下支えしていてこそ、『開発』や『営業』、『販売』といったメインの業務が滞りなく流れていくのです。

会社・オフィスごとに、それぞれ仕事のやり方、方針、流儀はあるでしょう。

誰でもそこに入ってすぐに全てを理解し、順応できるわけではありません。

しかし、必要に応じた期間の研修・OJTを経てその場に入ったら、その場の仕事の流れをまず把握して、周囲の人の業務を阻害せず、自分の分担をきちんと掌握できるような認識力が必要になります。

毎日同じような業務がベースにあっても、毎月の〆があったり、突発的な発注やトラブルに対応していけるように、順応性を高めていかなければならないのです。
そうした短期的な流れと、ひと月~一年といった中長期的な視点で自分のやるべきことを把握できない人には事務職は向かないのです。