「ブラック企業」は、景気が悪くなるとき「悪さ」が発覚し、大きな刑事事件に発展した場合は、刑事事件になることが、ほとんどで、景気が悪化すると、「ブラック企業」の悪さが、発覚する傾向にあります。

 

決裁書を改ざんするブラック企業

 

ブラック企業というのは、まず「決算書」を改ざんしてくる傾向があります。
お金がすべてである「資本主義」社会では、悪さをする企業であっても、「お金がそこそこあれば」悪さは露呈しないです。
しかしながら、景気が悪くなると、まず資金繰りが悪くなり、決算書の貸借対照表の「現金預金」残高が、極端に減少してきます。

もともと「ブラック企業」であるから、世間からの評判は悪いので、「信用」は得られません。そのため、メイン銀行はこういう「ブラック企業」から資金を撤収するからです。
上場企業であれば、「粉飾決算」を行って、株主からの「責任追及」を逃れようとします。
ブラック企業には、資金を融資でつなぐための「信用/担保」がありません。
銀行であれば、「ブラック企業」であっても、融資のお金が「約定通り」返済されていると、「貸しはがし」はしないが、銀行は監督官庁が「金融庁」であり、銀行法に基づいて「検査」にやってきます。そのとき検査のメインカテゴリーは、「反社会的勢力との関係が、ないか」ということを必ず強制的に指摘してきます。

この金融機関に適用される「銀行法 第24条違反」ということになれば、その金融機関にとっては「死刑宣告」と同じ効果を持つことになるので、全部お金を引き上げてくる傾向にあります。バブル経済が発生して多くの金融機関が破綻したのは、この「銀行法第24条違反」が適用されて死刑宣告されたからです。
現在では、会社法において「内部統制について、その整備と運用ができている」と決算書に記載して、会計士監査を受けなければなりません。ここで「不適正意見」を出されれば、上場廃止になり、証券取引法にても「会計士意見が不適正意見」であれば、上場廃止になると規定されています。
これら金融機関の検査と、会計士監査の「監査意見表明」があるため、「ブラック企業」にレッドフラッグが立つ仕組みになっています。

ブラック企業の働く悪さと景気の関係

 

ブラック企業において、「悪さ」をするタイミングと、景気が悪くなるタイミングは、同時にやってきます。
不正を行った企業における「手口」は、そのほとんどがワンパターンなので、その傾向と対策がわかることがあるのです。

まず「累積赤字」を、本来連結決算適用となる「子会社」に移転して、この「子会社」を連結対象外とする手口です。
上場企業であれば、こういう「連結外し」は、連結決算書を作成するうえで、会計士監査意見の「意見表明の基礎」からは「レッドカード」となります。これを無視すれば、会計士監査の「監査意見」には、不適正意見と表明されなくても、監査意見の追加情報として、「(この会社)継続性に疑義がある」と記載されます。
はっきり「ブラック企業であるか、どうか」とは監査を受けている会社は絶対言わないけれど、この「継続性について疑義のある」会社は現在でもそこそこ「上場」しているが、かなりきつい「イエローカード」であるため、会社四季報のよくわかる読者からは、「この会社、死期が出てる」と揶揄されることが、ほとんどです。
こうなると、まさに「会社死期報」です。

会計決算には、決算期間があるが、例えば3月決算の会社では、決算期の3月31日において、「会計監査人」が交代することがありますが、これも「ブラック企業の経営者」と、会計士がケンカして、「ケンカ別れ」となったことを示す事項です。

実際に大企業であっても、こういう事件は近年摘発が多くなっていて、「オリンパス事件」とか、「富士写真フィルム」事件、「東芝事件」、「カネボウ事件」と後を絶ちません。
ブラック企業は、「悪さ」を最後まで「隠したがる」「会計士に、メクラ意見を出してくれ」と頼んでくる、ここで「ブラック企業」は、悪さが露呈してしまうが、金融庁にはすでに「にらまれて」いる状態になっています。
この「会計士の決算期日における交代」というのも、「ブラック企業を見分ける」重要な要素です。

会計士に危害を与えるブラック企業

 

ブラック企業は、イザとなれば、監査を担当している「会計士」にも、危害を与えてくることがあります。
ネットで「丸紅の稟議書」とキーワード検索してみれば、そこそこの悪さをしたブラック企業のプロファイルが出てくる。これは日本で起きた「ブラック企業を監査していた会計士」に危害を与えたが、この事件は例外的に会計士の対応が警察等に対し、すばやくなされたため、その企業経営者は、監査を受けていた会社のオーナーから「被害届」を出されて、警察が「ブラック企業化」しようとした経営者を逮捕できた事件です。
会計士に危害を与える経営者であれば、かなりのサンクションを与えられることでは、日本でも、アメリカでも、同じ罰を与えられます。

事前に発見できなかった事例として、「ライブドア事件」や「シーマ事件」が取り上げられます。
ライブドア事件においては、株式を1株→100株に分割すると発表した、これを機会に上場していた「ライブドア」は「証券会社法違反」として、ホリエモンは警察に逮捕されてしまいました。(私見ではあるが、ホリエモンは反社会的勢力の言いなりになっただけであるが、彼が会計士監査をよく理解していないため、株式分割を行なえば、瞬間株価は上昇するが、これを利用して、自己株式の取引を行って、「安値で買って、高値で売り抜ける」ことを指南された事件です。

このように、決算書、会計士とケンカになる、会計士に危害を加えることになる、という事項になれば、まず「警察署行く」ことになってしまう時代になっています。ほとんど、トリガーは「景気が悪くなっているのに、無理に会社を大きくしよう、とする経営者の「悪さ」です。

まとめ

一概にブラック企業と言っても、「反社会的勢力」がすぐに逮捕できません。しかしこれら失敗を繰り返しながら、ブラック企業は社会から遮断される仕組みになりつつあります。
なお「株式会社」は、株主がその会社に「ブラック企業の経営者」いれば、自ら株主総会へ出て、無理を指摘するのが原則です。
また資本主義大国「アメリカ」では、ブラック企業の経営者には、かなり厳しい禁固刑が処罰で与えられる仕組みになっています。
エンロン、ワールドコム、また「バーナード/マドフ」は「牧師的経営者」であると評判が高く、「ナスダック」を形成したが、本質は「ブラック企業の社長」に過ぎないことがバレて、バーナードマドフには禁固刑150年、その会社を監査していた監査人には実刑15年の刑事罰が与えられました。
会社の経営者は悪さも、正しいことも併せのむ人間が多い、しかし「お金」の残高は、ウソを言いません。
その会社の「現金預金残高」が急に減少している、評判が悪くなってきている、これら事象が発生してきたときは、すでに兆候が発生している、ということです。
ついで、銀行とケンカした、会計士とケンカした、会計士を決算期日に交代させた、ということがあれば、「レッドカード」の「兆候」が出てきている、ということです。
必ず「ブラック企業経営者」は、逮捕されると決まっていないが、この「ブラック企業である」ことの「テスティング」が、「景気の悪化」がある、ということです。
最近では、「内部告発制度」も整備され、「ブラック企業」であることは、従業員でも指摘できる時代になっています。
こういう事件で不幸であったのが、「日本長期信用銀行」事件では、ないかということです。
実際に刑事罰を宣告された被告は、実は善人であり、本物の「ワル」は、逃げおおせて、そのまま死んでしまった、という事件がありました。
こういう不幸なことばないよう、株主としては、「レッドカード」や「イエローカード」の兆候だけは、おさえておきたいものです。