契約社員と正社員の最大の違い
この2つを聞いてまず感じることはなんでしょう。正社員というのは一般的によく耳にしますしイメージがしやすいです。
世間では、安定していて、正社員になるのが一番だと思っている人もまだまだ多いように思います。
ですが本当にそうでしょうか。
契約社員とは一体、正社員とどう違うのかということです。非常勤、臨時職員、準社員などの呼称もこの、契約社員に当てはまります。
最大の違いは「雇用期間」であるといえるでしょう。
正社員は一般的に、定年までその会社に勤めます。
または、自分から辞職するまで、解雇されるまでといったところです。
契約社員は契約時に、契約期間を決めます。最長3年で、こちらの期間を過ぎた後はどうなるかというと、退職するか、契約を更新することになります。
一見、派遣社員と似ているように思えます。こちらの違いはどこと、労働契約を結ぶかというところです。
派遣社員は派遣会社と契約し給与をもらいますが、契約社員は勤務先の会社と契約します。これを直接契約といいます。
契約期間が終了し企業が更新をせず契約終了となってしまう雇止めが問題になっていました。
契約社員として最大の不安である部分でしょう。
ですが2013年から労働契約法が変わったので、五年以上働き、希望すれば無期限の契約にかわります。
よく勘違いされるところですが正社員になるわけではありません。
雇用期間の捉え方
契約社員、正社員どちらがいいのかわからない、なにを重視すべきかわからないという人もいるでしょう。
まずはそれぞれの特徴をつかんで雇用期間をどのようにとらえるかです。
契約社員の雇用期間は基本的に三年以内、高度専門職および60歳以上は五年以内となっています。
実際は3ヶ月、半年、1年などの短期間で契約を結ぶ会社もあるのでこの契約期間を過ぎ、雇い止めにあうと職を失うというリスクはあります。
ですが、1つの職場にしばられたくない、環境を変えやすいといった点では利点でもあります。
昇進は基本的にないですが、これが逆に自分の仕事を全うすることにつながります。
自分の仕事をこなすことは得意だけれど、役職がついて他の人のことまで考えるのは苦手だ、元々の仕事に集中できないという人にはうってつけです。
正社員は基本的に定年まで働けることになっています。
こちらはよくいう「正社員は安定している」と言われる所以です。
昇進や昇給のチャンスもあるでしょう。たくさんの人の上に立ち、いずれ大きな仕事も任されたいという人には最高のチャンスです。
長期間の付き合いになるので、人間関係も濃厚ですし、安定しています。
ですが、一度就職すると環境を変えるには辞職するしかなく、時には転勤が必要なことも時にはあります。
苦手な人がいてもなかなか環境が変えられないのはストレスかもしれません。
解雇予告についてですが、契約社員だからといって急に契約を打ち切られることはありません。
会社は、解雇の30日前までに予告しなければいけません。
こちらも労働基準法で定められています。労働者は安心して働くことができるのです。
福利厚生と副業について
契約社員は福利厚生がしっかりしていないんじゃないかと思われがちです。アルバイトのようなイメージを持っている人も多いようです。
正社員との違いを比較していくと、意外に思われるかもしれませんが契約社員も社会保険の場合が多いです。厚生年金と健康保険のことですが、正社員同様完備されています。
また、休日や有給にも正社員と違いがありません。同じ日数で定められています。
契約内容(時間や給与)によって計算されます。
ですが、住宅手当や家族手当は基本的に正社員でないと出ない会社が多いようです。
これらは、家賃や家族の人数によって計算され支給されるものです。こちらは数千円〜五万円近く出る会社もあり、労働者からすると重要な収入です。
契約社員の場合これらも自分の給与の中からとなると手取りの金額に差が出てきます。
そして注意点ですが、住宅を購入する際のローンが契約社員だと正社員より不利なことがあります。
各銀行によって基準が違うようなので確認をすべきでしょう。
こちらも、予定があるなら働き方を考える前に検討すべき部分です。
退職金についても、契約社員ではほとんどもらえないことが多いのです。こちらが契約社員になることの1番のハードルと感じる人もいます。
そもそも退職金は福利厚生とはいえません。法律でも支給することが定められていないのです。
ですが多くの会社が、優秀な人材を確保し定着させるために正社員に向けて退職金を支給しています。
これらが社員のやる気や労働力の向上になっているという事実もあります。
そして副業に関しては、正社員では禁止している会社がほとんどかと思います。
その点、契約社員は自由なことが多いです。
契約内容の何曜日何時から何時、という曜日や時間帯がかぶっていなければ他の会社と二重で契約を結ぶことができるのです。
ライフスタイルに合わせられるのが大きな特徴です。
それぞれの向き不向きな人
契約社員に向いている人材の特徴は、いろいろな現場で経験を積みたい人だと言えるでしょう。
自分の仕事に特化して様々な仕事をこなせるのでスキルアップにつながります。
また、その人自身がもともと持っている技術や能力を最大限発揮できるともいえます。
最長三年と決まっていて、更新の予定がなければ人間関係も簡潔なので業務に集中できます。
人付き合いが億劫な人、苦手な人にとっては気楽な部分でしょう。
基本的に昇進もなく、部署移動もないので、やりたい仕事や得意な仕事から外されることはそうないのです。
その分、はじめに期待された仕事をきちんとこなし結果を出していく努力はしなければいけません。
また、勤務の時間も契約の時点で決めるので、プライベートを大切にしたい人にも向いています。曜日や日数も同じように契約の時に決めていきます。
自分の都合で時間を設定してから働くので、育児中、介護中の人も融通が効くと言えます。お子さんのいる女性でも契約社員でなら働きやすいということもあります。
正社員に向いている人材の特徴は、じっくり経験を重ねたい人でしょう。
時には希望した部署や仕事内容でないものにあたったとしても、コツコツ仕事をこなしていくうちに昇進や昇給につながっていくこともあります。正社員として働くにあたり1番のやりがいかもしれません。
転勤や昇進で、その時その時の立場が変わり責任を取る範囲が広がる可能性もありますが、その分難しい決断や大きな仕事を任されることに喜びや達成感を感じることもできるでしょう。
また、人間関係も安定していて、職場で過ごす時間も長いので、プライベートでも関わり合える友人ができるかもしれません。
産休や育休があるという点ではお子さんがいる女性でも正社員を目指すこともできます。
契約社員の注意点
契約社員になる際に気をつけたほうがいい点は、契約更新のことです。最初の面談時に必ず更新はあるから、という口約束を信じて、契約してしまうのは危険です。
また、労働者側も更新したくないのに更新しますと言って後から後悔することもあります。
このような点に注意しなければ更新するにしても辞退するにしてもトラブルになりかねません。
一度勤めれば定年までの正社員と違い、働く期間が決まっているからこそ更新なのか、契約を終了させるのかきちんと考えていく必要があります。