難航する転職活動
もともと機構設計製図の仕事を業務委託という形で自宅を職場として仕事をしておりましたが、長引く不況やセキュリティ上の問題等でなかなかこれまでのように受注することができず、就職先を探しながらたまに受注できる仕事でなんとか食いつないでいました。
年齢と使用していたCADツールが特殊だったせいもあり、なかなか見つからず、とうとう次の仕事は半年先という事態に陥り、派遣会社を通して半年の契約で自宅近くのアイスクリーム工場でアイスクリームの箱詰めの仕事をすることにしました。
設計の仕事以外はやったことが無く不安でしたが半年の期限付きと思って勤めました。
やってみるとなかなか楽しくて休憩時間にアイスの食べ放題も魅力でした。
ただ、女性が多く社員以外では同世代の男の人はおらず、おばさまから「こういう働き方する男の人はどういう人なの?」などと聞かれ何とも気まずい感じになったりしました。
半年経ち本業の設計に戻れるかと思えば、さらに1年計画が延びたとのこと。子供たちは自立しているものの住宅ローンも残っておりもう無理だと設計業は廃業し就活することにしました。
18歳のころから設計業一筋できて30歳の時に独立開業しここまできたので廃業するときは、独立開業するときよりもずっと悩みましたし怖かったのを覚えています。
以前からの就活の結果で設計での就職は、無理に思えたので業種は問わず自分でもできそうな仕事ならなんでも応募しました。
毎日のようにハローワークにも通い詰めました。
何十件と応募しましたが、書類選考すら通らず就職できませんでした。
失業保険も入っていないので早く勤めたいとあせるばかりで、結果がでませんでした。
そんな時、登録していたある派遣会社から倉庫内作業はどうかと連絡が入り、収入源なるなら何でも良いと思い務めることになりました。
フォークの免許は必要ないとのことでしたが、あった方が仕事がやりやすく感じたので自費で免許取得しました。
あまり深く考えた訳ではありませんでしたがその辺のやる気が評価され派遣から自社の契約社員にしてもらえることになりました。
派遣で1年過ごし契約社員として3年働きましたが、業績が落ち込み始め派遣切りが始まりました。
前職を活かせる職場への転職
派遣の後は、契約社員が切られるであろうことは簡単に想像できましたのでそうなる前に次の勤め先を探さなければと思って求人広告を見ていた時、CAD設計募集の文字が目に飛び込みダメ元で電話してみました。
社員30名ほどの板金工場での設計でしたが、採用担当の方から「とりあえず一度来てもらえますか?」と言われ、書類選考で落ちてばかりいた私には、面接してもらえるだけで有難いと思い後日伺うことにしました。
面接では、今までの経緯を話しブランクが5年ほどあることなどを話しました。
先方からは「でも設計やりたいんでしょ?」と聞かれ素直に「はい。」と答えました。
期待半分、諦め半分でしたが、後日連絡が入り採用してもらい大喜びしました。
この会社で定年まで頑張るぞと意気込んで入社しました。
ただ喜んでばかりはおれずここの会社は、基本給というのがなく時給プラス手当という給料構成になっていて、正社員で務めているのに、派遣の時の不安定さが無くならないというのが問題でした。
それでも社員のみなさんがみんな暖かくて勤めやすい会社だったし、年齢も年齢なのでぜいたくを言わずここで頑張ろうと思っていました。
給料面を考え再び転職
勤め始めて2年目の頃にまた求人広告でCAD設計の文字が…
しかもここの会社はしっかり月給で社員も70名ほどいる立派な会社です。
給料も今までよりもかなり上がるし、とりあえず応募だけしてみようと思い電話してみました。
今まで就活で面接すらしてもらえなかった私は採用されるとは思っていませんでしたが何と採用されることに。
今度こそ、ここで定年を迎えようと心に決めて試用期間に入りました。
ところが、上司にあたる方があまりにも横柄で仕事を教えようとしません。
机の上に資料が置いてあるだけで、何をどうしろとの指示が無いのです。
聞きに行くと「俺に聞くなよ。」と言われ、何なんだこのジジイは…と思いながらも、悔しいので自分なりの解釈で作業をすすめていました。
そして提出してみると「うちにはうちのやり方があるんだから、勝手に判断するなよ!」
とりあえず我慢我慢…
そんなやりとりが続いていた数日後
「この書類を営業部の○○さんにもって行ってここにサインもらってこの書類は…」
と早口でまくしたてられたため
「ちょっと待ってください。メモとりますので。」と言ったら
「つかえねーな!俺が行くからもういいよ!!」と言って出て行ってしまいました。
さすがに”かっちーん”ときて戻るや否や詰め寄り「何が気に入らないのかわかりませんがもう少しきちんとおしえてもらえませんか?」と言ってやりました。
横柄は人なので何か言い返すかと思いきや「はい。すみません。」
よくわからない人でした。
その後少しは対応が良くなりましたが、機嫌が悪かったりすると本性が見え隠れしていました。
ここの会社は拘束時間も長く、給料は残業代込みということでしたが、上司命令で21:00までは残業しなければななりません。
中には夜中2時3時まで仕事して、日中に居眠りしている人もいましたが会社は大目にみているとのことでした。
前の会社でも一度徹夜がありましたが、それは納期が間に合わなかったからで、日中居眠りしていても夜遅くまで仕事する人が評価される会社は自分には合わないと思いました。
現在の職業で安定
転職しなければ良かったと後悔していた時現在勤めている会社の求人がありました。
面接してもらい、今他の会社の試用期間中であること、そこの会社での不満などは話しました。
採用されてもされなくてもこの会社は試用期間が終わったら断ろうと思っておりましたところ現在の会社から採用との連絡があり、勤めることになりました。
転職先をさがしているみなさん。
高齢になってからの転職は大変だだと思いますが、何十社の会社から見向きもされなかった私があるときから立て続けに3社も採用してくれるところが見つかるなんてこともあります。
諦めずに頑張って下さい。