自分の特技であるマッサージを活かし独立を決意

 

石の上にも三年という言葉があるように、仕事に慣れてくると最初は見えなかったことや頭の中に余裕が生まれてきます。

数年働いていた仕事にやりがいが生まれてきて、同僚との仲も深まり、このままずっとこの仕事をしていくのかと考えたりもします。

私は実家から離れたところで仕事をしていたので、なかなか実家に帰ることができませんでした。

そんな時に、家族から一つの提案をいただきました。

私の実家は一見マンションなのですが、中をパカっと開けてみると半分は全て一つの家で半分はワンルームマンションをいくつか貸し出しているマンションになっています。

そのうちの一つのワンルームを私に譲渡してくれるとのことで、お店を開いてみたらどうか、というものでした。

私はマッサージの専門学校に通ったのちに、都内の某マッサージ店で数年働いていました。

働いていた時はお客様に喜んでもらいたいという思いから常に勉強をしていました。

とても楽しい日々でした。

ですがその後、他の職種にも挑戦してみたいと思い転職をしましたが、別の職場に行っても同僚たちにマッサージをしてあげたいと思ってしまいます。

そのことを家族に話していたというのもあって、うちのワンルームでお店を開いたらどうかということで辞職の道に至りました。

 

前職で働きながら実家で開業を目指す日々

 

私の前職から転職先(実家)までは電車で二時間ほどかかります。

飛行機を使うほどの遠距離ではないので退職する最後の一か月間は週に一回帰ってレイアウトやもろもろの準備をしていました。

週に一回は実家に帰っていましたが、それ以外はまだ前職で働いています。なんだか気持ちがさみしくなったのを覚えています。

これから新しいことを始める自分、少しの不安と大きな希望をもっていました。

その反面、数年間共に働いてきて、つらい時や楽しい時も一緒に乗り越えてきた同僚たちと離れるということ。

出会いと別れがあっての人生なのだと痛感しました。

 

自分のしたかったことが現実になり充実した日々

実家はその地に来てから6年ほどしかたっておらず、実家ですがそこで生まれ育ったのではないので、人脈というものが全くと言っていいほどありませんでした。

そこで私は徒歩15分くらいの場所にある派遣のような業態のマッサージ店で、週一・二回を二か月間ほど仕事しました。

そこでこの町の状況や働いているスタッフからもいろいろと情報を得ることができました。

さて、オープンという日、来店していただいたのは二か月間ほど働いていた時のお客様と私の家族でした。

私の家族を入れてよいのか分かりませんが、お金はしっかりといただきました。

そして一か月間は知り合いや二か月間ほど働いていた時のお客様のみでした。

私の姉はデザインの仕事をしており、ホームページやお店の看板等を作ってくれました。

その看板を見ていただき、ご近所の方が数名来ていただけるようになりました。

私のホームページも姉のおかげで上位のほうに上がってくるようになり、ホームページを見たのですが、というご予約のお電話もいただけるようになりました。

よく来ていただいているご夫婦が、そのお友達のご夫婦を紹介するなどと、だんだん波に乗ってきたところで、もっとお客様を呼べないかと考えました。

そこで私の姉にチラシのデザインを作ってもらい、家族の協力のもと自分たちでポスティングをしました。

確率でいうと、一人来ていただけるのには二千枚ほど配らないといけませんでした。

家族みんなで隙間時間に一か月間くらい、いろいろな地域に配りに行きました。

そのおかげあって、いろいろな地域からも来ていただけるようになりました。

そこで学べたのは、遠すぎる地域だと来るのが大変ということです。

数名のお客様を失ってしまったのすが、私のお店は駅から近いので遠い方でも仕事帰りに寄っていただけてなんとかお客様を維持できました。

今まで私がしてきた仕事とは何かが違い、一人一人と向き合いやすいと思いました。

今までしてきた仕事も精いっぱい気持ちを込めてしてきて、やりがいだと感じたり、楽しかったりつらかったりとありました。

とても昔ですが、職場で泣いてしまうなんてこともありました。

そういった経験、気持ちもあり今の自分のお店はどこかホッとできる、最高な職場です。

それは私が一から作り上げた空間だからなのだと思います。もちろん家族や友人の支えもあってです。

お店の雰囲気を見てみると、これこそ私が創りたかった、したかったことなのだと、想像の中のものではなく目で見ることができる幸せがあります。

いつかあれがしたいや、これをしたかったという、想像だけでは終わらなかったのだと今、感謝しています。

私一人の考えではこの決断はしなかっただろうと今でも思っています。

転職という分岐点は人生の一大事、そんな簡単には決められないと思います。

私の転職の一押しはいつも私の姉の存在がありました。

母もいつも支えてくれます。

家族に感謝しながらこれからも頑張っていきます。