介護業界において述べると、3~4年前までは、「未経験OK」の求人は、確かにブラック企業が多かったです。
しかし、この3年程の間で事情は大きく変わりました。景気が良くなってきた為、ブラック企業の見分けは付かなくなってきたのです。

 

景気の良し悪しと、介護業界の人材採用の関係

 

景気が悪い時、比較的に介護業界にも人材は集まってきます。
営業職に着いても、景気の悪さから、明るい未来が見通せません。
給与も、さほど良いはずがなく、どちらかというと、インセンティブ、売り上げに応じて給与が上乗せされる。
もっと言うなら、売り上げを上げないと、基本給は非常に低い。それが、景気の悪い時の営業職です。

それに対して、介護職は、昔から3Kの職種と言われるように、キツイ、キタナイ、クサイ。
人手不足は厚生労働省も昔から認めており、介護保険における事業所では、「処遇改善加算」という、介護職の給与を上げるための仕組みも、介護保険法という法律で作られるほどでした。

ですから、世間の景気が悪い時は、相対的に介護職の給与が高く感じられ、まったくの別世界の業種からも、介護業に興味を示す人は多くありました。
ブラック企業は、そこに目を付け、「未経験OK」をうたい文句に、人を集めようとしました。
きつい仕事ですから、辞めていく人も多いのですが、ブラック企業は、それを、「使い捨て」と考え、次々に美味しそうに見える求人を出し続けたのです。

一方で、老舗の老人ホームなどを運営している社会福祉法人では、経験者を雇わないと、即戦力にはならないことを良く分かっていましたので、「未経験OK」とは、決して書きませんでした。
そこに、介護業界の特殊な転職事情がからまってきます。
「辞めた人は、グルグル回っている。」と言われる、介護業界内で、気の合う仲間を見つけては、転職を繰り返す人々です。
これは、良し悪しはありますが、実力のある人が、人間関係上の問題で、転職しているだけとも考えられますので、「経験者のみ」や、「経験者優遇」という条件の求人でも人は集まったのです。

 

景気回復期の介護業界

 

 

景気が回復してくると、介護業界以外の給与は上がり始めます。
それは自然の摂理なのですが、介護業界は、介護保険法という法律に縛られて、売り上げが決まりますので、景気が上がっても、給与は上がりません。
そこで、当然のこととして、介護業界が採用出来る人材は減っていくのです。

徐々に、「経験者のみ」という求人は減り、「経験者優遇」という求人に変化していきました。
しかし、介護業界内で転職を繰り返している人達の人口は、何年たってもほとんど変わらないという現実にたどり着きます。
「経験者優遇」は、転職組にとっては、当たり前のことで、特に目をとめる求人ではなくなったのです。

介護業界でも、「未経験OK」の求人が出始めます。
ここで、求人を見るだけでは、ブラック企業かどうかの見分けは付かなくなってしまいました。
この頃のブラック企業の見分け方は、同じ求人が、継続してずっと何カ月も出され続けているかどうか。
その一点に絞られてきます。
ブラック企業である介護の職場に就職しても、すぐに辞める人が続出するため、「未経験OK」の求人が出され続けることになるのです。

一方、優良企業は、初心者に対する研修や、教育プログラムがしっかりしているので、辞める職員も少なくなります。
したがって、「未経験OK」で求人を出しても、一旦取り下げることが出来たのです。

景気好調、介護氷河期

 

 

更に景気が上向いた、この1~2年に関しては、介護業界は氷河期と言われるまで人手不足に陥りました。
一般的な介護業のパート職員が、時給800円~850円であるのに対して、飲食業では、時給1,000円を掲げないと、問い合わせすら来ないと言います。
介護業から、他の職種に流れる人が増え始めたのです。
従来、介護業界内で、グルグルと転職していた時代は終わり、別の職種に転職していく時代の到来です。

介護業では、転職した職員の穴埋めが出来なくなり、職員は減る一方。
求人条件は、当然、「未経験OK」ばかりになりました。
それで、負の連鎖は続きます。
未経験で入職した人に、十分な研修も教育も行えなくなり、未経験の人は、どうしていいのかわからず、泣きながら帰途に就く毎日を送る羽目になりました。
当然、その人達は退職していきます。

老舗の介護業者では、そんな中でもかろうじて、新人に対する研修役の先輩が、一か月は一緒に働いてくれる環境が作れます。
そんな中で働く新人職員さんは、恐らく半分程度は働き続けてくれることになります。

 

まとめ

 

おわりに、介護業における、「未経験OK」と、ブラック企業の関係をまとめてみましょう。
1.「未経験OK」は、ホワイト企業でもうたっています。

2.「経験者優遇」という介護企業には、問い合わせし、具体的にどう優遇されるのか、聞いてみましょう。「採用に関して、優遇します。」という答えでは、ブラック企業です。

3.「未経験OK」の求人企業の採用面接を受けてみましょう。介護に対する想いや、どんな介護をしたいか?などの質問を、試験官がまったくしてこないで、企業の優れた点ばかり強調して説明するようであれば、ブラック企業です。

どうか、みなさん騙されないようにしてください。