転職を検討するうえで「年収」が大事なファクターになっている人は多いです。今より年収を高くしたいから転職したい、今の年収が同年代と比較して低すぎる転職したいなど、「年収」が転職を進める大きな理由となっている人は多いでしょう。

一方、漠然と「年収」が転職の理由になっているものの、「どれくらいの年収であれば転職すべきなのか」「自分が単に高望みなだけで、転職しても年収が上がるかどうかよくわからない」という人は多いと思います。「転職を検討すべき年収」は人の年齢・能力・学歴・志向により様々ですが、今回は自分が転職を検討すべき「年収」を考えるうえでの4つのポイントを紹介します。

ポイントその①学歴・年齢別平均年収

まず最も簡便な指標としては自分の年齢に対して今の年収が割安か割高かを考えてみるのが最も簡単でしょう。現在は大手求人サイトなどが年代別はもちろんですが、年齢別の平均年収を掲載していたりします。また、大卒・高卒では同じ年齢でも年収水準に開きがあることが一般的なので、大卒×年齢など、学歴と年齢を組み合わせた平均年収をまず参考にするのが良いでしょう。これはおおよその目安ですが、20代が300万円台中盤、30代400万円台中盤、40代が500万円台中盤、50代が600万円台中盤~後半程度が一般的な大卒・年代別の平均年収です。高卒ではこれより少々下がります。

また、特に若年層は20代といっても前半・後半でかなり差がありますので、できれば年齢別の年収を調べたうえで参考にしましょう。これによれば、例えばまずは20代後半・大卒で200万円台の正社員なんかは転職を検討するのも一案ということになりますね。逆に20代で500万円を超えている方は、少なくとも単純な年齢×学歴の指標だけでは転職を検討するのは望ましくない、となりますのであとは自身のスキル、つまり自身が所属している業種や職種によって来ることになります。この点については次章にて説明してみます。

ポイントその②同業他社転職の場合は、業種別平均年収を確認

ポイント①は最も簡便な年収指標ですが、実際には上記の平均年収を大幅に上回っていても転職に踏み切る方は多いです。難関大学卒で大手企業の総合職なんかだと転職により30歳前後で1,000万円クラスの年収を手にする人もいますので、ポイント①はあくまで最も単純な指標として認識しておくのがいいです。

このスキル毎の「転職をすべき年収」についても究極的には人それぞれというところもございますが、あくまで同業他社の転職にこだわる場合にはまず「自分が属する職種」の平均年収を見るのが良いでしょう。もちろん「業種別年収」も参考にはなるのですが、どちらかというと自身のスキルは業種より職種の方が参考になることが多く、職種の方がより参考になると思います。これも大手求人サイトなどでは独自に統計を取っていることが多いです。

サイトによっては年代×職種で平均年収を出していますので、是非参考にしてみましょう。これをみると、職種によっても年収水準というのは様々であることが確認できます。例えば一般的に大卒正社員の営業職だったら20代300万円台後半、30代500万円台など先ほどの単純な年代別よりもやや高くなっています。もっと極端な例ですと、投資銀行業務なんかは20代600万円台前半、30代では1,000万円超が平均と言われています。いずれにしても各々の職種の平均年収を明確に下回っている場合は転職を進めるのも一考ということになってくるわけです。同業他社での転職を検討している方は、自身の職種の平均年収を確認して、転職により年収を高めることができそうかどうか考えてみるといいでしょう。

ポイントその③異業種転職にチャレンジする場合は、自身が目指す転職職種の年収を基準にする

次に異業種への転職にチャレンジする場合ですが、この場合は自分のチャレンジする転職職種・業種の平均年収を確認しておくといいでしょう。今度は業種が変わるので、「業種別」の平均年収もポイントになってきますね。

基準となる年収とはやや話が外れてしまいますが、異業種での転職を検討する場合は、基本的にチャレンジする「業種・職種」を明確にしておくことをおススメします。自分の軸が決まっていない転職はなかなかうまくいくものではありませんし、「転職を進めるべきどうかの年収」もどれを見ればいいかよくわからなくなってきます。先ほどの投資銀行業務や、戦略コンサルタントのように「職種・業種の平均年収が極端に高い」仕事はいくつかありますが、そうした仕事に就く人は極めて高い学歴とスキルを持っていることが多いので、ここに転職で参入することができる人は非常に限られているでしょう。

そのような職種・業種の年収を参考にしてもしょうがありませんので、まずは自身が異業種チャレンジするとするとどのようなスキルを活かしてどのような仕事に就けそうか、を漠然とでもいいので考えてみて、そのスキルや希望業種に当てはまる職種や業種の平均年収を確認しましょう。今のあなたの年収がその水準に対して明確に低いという場合は、転職にチャレンジすることで年収を高められるかもしれない、ということになります。

ポイントその④自分の生活の「必要年収」について考える

最後は、少し違った観点から自分の「転職すべき年収水準」を考えてみましょう。それは「必要年収」というもので、日常生活や様々な各々のライフイベントを考えたうえで、家計がマイナスにならない年収のことです。これを明確に下回り、かつ必要年収を下げる節約の余地がないという場合は転職を検討すべきということになります。裏を返せば、転職先がこの「必要年収」を下回ってしまう場合は「転職をすべきではない」ということになります。転職検討者の中には年収を下げてでも新しいことにチャレンジしたいという方もいると思いますが、そうした方もこの「必要年収」は下回らないように注意をする必要があります。

さて、その必要年収ですが、簡便には{(毎月の支出×12カ月)+特別支出+理想貯蓄額}÷0.8=必要年収、で計算することができます。ここで0.8を割っているのは、税金や社会保険などの控除を考慮したものですので、ここで基準となるのは手取りではなく額面年収で考えることになります。毎月の支出は、生活費・住居費・通信費・保険料・教育費やお小遣いなどが一般的に含まれますが、自身が毎月定例的に消費している項目・額をもれなく含めましょう。特別支出は、毎月は発生しないが、1年のどこかでは発生するであろう旅行代・帰省費・車の税金や車検代、冠婚葬祭費・保険の年払い・教育費などが含まれます。また理想貯蓄額はその名の通りですが、ただの「希望」を闇雲に設定するのではなく、今後のライフイベントを見据えて必要となる貯蓄額を設定しましょう。

もしこの金額を下回るという方は転職することにより節約が必要ということになりますが、一般的には環境が変わる中で生活費も切り詰めるというのは簡単ではありませんので、想定する転職後の年収がこの水準以下になる方は基本的に転職はおすすめしません。

 

まとめ

転職に踏み切る年収であるかどうかは最終的には自分で決めるもの、もっと言うとそれ自体が転職検討要素の一つであるといえるでしょう。しかし闇雲に希望年収を考えてもそれが適正なのかどうかはよくわからない方も多いと思いますので、自分が転職を検討すべき年収なのかどうかを考える上では、ここにあげた4つのポイントを参考にしてみるといいでしょう。

これらのポイントを踏まえて自分の年収、或いは想定転職先の年収を比較することで、本当に自身が転職を検討すべきなのか、転職することで得る年収が自分に適しているのかが明確になります。