リストラの危険から退職をし、営業職へ転職
外資系は給料も良く休みも取れやすくて申し分なかったのですが、業績が悪いとすぐにリストラが実行されるのがとても辛くて耐えられませんでした。
何度かのリストラの後、ついに直属の上司がリストラされてしまい神経的にもまいってしまいました。
このまま続けていたら自分もリストラされるかもしれませんし、その前に神経が持たないと思い、転職を決意しました。
ヘッドハンティングの誘いもいくつかあったのですが、全て外資系だったのでとても選択肢に入れるものにはなり得ませんでした。
日本の会社ならどこでもいいくらいの気持ちだった事と、辞めるまでの時間が引き継ぎなどに取られてしまった事でまともに面接にも行けませんでした。
そんな中で看板の営業というのが結構手取りも高かったので面接を受けてみました。
話を聞いてみると歩合制と月給制の二つの選択肢があり、歩合制ならかなりの高給を取っている人もいるという事でした。
最初からリスクを負うのはさすがに気が引けたので月給制での応募にしました。
営業の会社というのは基本的に面接すれば採用らしく、合否の連絡を待つのではなくこちらから連絡すればいいというシステムでした。
若干の不安は有りましたが、頑張っていれば定年までいられると思うと少し安心感もありました。
転職後の会社では社長からのいじめを受け再び退職
営業の仕事は思ったよりもハードで、初日から有無を言わせず残業でした。
壁に成績表を張り出すような会社でしたので何となく予想は出来ていました。
二人一組のスタイルでしたが、パートナーが歩合制だったために残業しても売り上げが上がらなければ残業代は申請出来ないのが暗黙の了解になってしまいました。
それでも不安におびえて仕事するのよりずっとましだと思い、毎日サービス残業でも頑張る事が出来ました。
その結果二か月後には売り上げナンバーワンの座を獲得する事が出来ました。
さすが営業会社で報奨金が出ただけでなく、高級料理店でのパーティーまでしてもらいました。
パートナーは歩合でも相当貰ったらしく、満面の笑顔でした。その後も四か月連続で売り上げトップを取り、社長賞というのを貰いました。
金一封と社長との会食だったのですが、そこでとんでもないことが起きてしまいました。
その営業会社は社長のワンマン経営で、社長に背くことは絶対に許されない社風だったのです。
その事は知らされていたので反論などするつもりはさらさら有りませんでした。
ところが会食中社長の口からはパートナーの悪口しか出てこず、目の前で大きな声で馬鹿呼ばわりするのです。
いくら何でもひどすぎると思い、丁重に悪口を止めるようお願いしたのです。
それが社長の怒りを買ってしまったらしく翌日から社長直々のいじめが始まったのです。
朝会社に行くと何故か社長室の机を拭くよう命じられ、それが終わると朝礼をしてから営業に行けと意味不明な事を告げられました。
訳も分からず言われるままにしていたのですが、営業に出ようとすると雑用を命じられるようになってしまいました。
このままでは営業成績も下がってしまうと心配していると、人事関係の人から呼び出され社長のいじめだという事を知らされました。
社長のクセに子供じみたことをするもんだと呆れてしまいましたが、背に腹は代えられぬで仕方なく社長に謝りに行きました。
そこでまたもや信じられない事が起きたのです。
社長は罰として二か月無給にすれば許してやると言うのですが、あまりの理不尽さに即答出来ず少し時間を下さいと直訴しました。
その事が更なる怒りを買ってしまったようで、営業に行かずに社内で電話番をするように言われました。
完全なパワハラですが抵抗してもしょうがないのは分かっていましたから、再度社長に謝りそのまま退職手続きをしました。
パートナーの事があったので逆らうような事はしなかったのですが、多分あまり意味はなかったように思います。
結局営業会社というのは使い捨てのポリシーで成り立っているんだという事を知りました。
こんなことなら歩合制にしておけば良かったとかいろいろ考えましたが、基本はあまり考えずに転職してしまった事が原因なのは明らかでした。
前職を止める時に引き継ぎなど無視するべきだったんでしょうね。
時間をかけていればブラックな会社に入る事もなかったんだろうと思うと悔しくてたまりません。
更には辞めた後にパートナーだった人間から連絡が入り、再度謝れば社長が許してやってもいいと言っていると伝えられました。
パートナーに落ち度は有りませんが、そもそも社長の悪口から守ろうとした事に端を発していたので思わずパートナーにふざけるなと言ってしまいました。
パートナーにしてみればそんなプライドなんか必要ないという事なのでしょうが、さすがにそんな気にはなれませんでした。
いい経験をさせてもらったと思ってあきらめるしかなかったのですが、どうしても半年近く無駄な時間を使った気がしてしょうがありませんでした。
その後は慎重に面接を重ねてまともな会社に入る事が出来ましたが、あの会社の事は履歴書にも書きませんでした。