残業の多さからうつ病になり転職を決意

 

 

私の子供のころからの夢は、旅行代理店に入社してオリジナルのツアーを作って売ることでした。

世界にはまだまだ知られていない素敵な場所が沢山あるのに、日本人はみんな同じような国や場所にしか旅行せず、そのためマイナーな国は日本ではほとんど知られておらずその機会を失っていることをもったいないと思っていました。

私がその思いをより強くしたのは、大学時代に留学したアイルランドでの経験が大きかったです。

アイルランドは日本ではあまり知られていない国で行ったことのある人もまだまだ少ないと思います。

私はあえてそんな国を選んで留学したのですが、これが大正解でした。

アイルランドは緑豊かで自然に囲まれたとてもきれいな国でした。

アイリッシュの人は穏やかで陽気で、ヨーロッパではめずらしくルールや礼儀を重んじていて少し日本人に似ているところがありました。

お酒の文化が受け継がれており、老若男女みんな昼からパブでギネスビールを飲んでいました。

私はこの国がたちまち大好きになりました。

そしてもっと日本人にアイルランドを紹介したいと思うようになりました。

大学3年生の就職活動では旅行会社に的を絞り、都内にあるほぼ全ての旅行会社を受験しました。

大手だけでなく中小も受けるなかで、私は大手旅行会社ではなく中小企業に魅力を感じるようになりました。

中小企業の方が社員のやりたいことをやらせてもらえるチャンスがあると感じたのです。

そんな想いの中で内定を頂いたのが第一希望の中小企業の旅行会社でした。

私はこれから始まる夢に溢れた社会人生活に胸を躍らせていました。 

そうして働き始めた旅行会社でしたが、現実は全く想像と違いました、違いすぎました。

入社して早々残業の嵐、もちろんサービス残業です。

朝は8時に出社して10時の始業まで早出残業、夜は19時の終業から24時まで残業、これでも仕事が終わらず休日出勤をしていました。

ここまで残業しなければならなかったのにはいくつか理由があります。

新入社員で仕事が慣れていなかったので仕事をこなすのが遅かったのは間違いないのですが、周りの先輩やOJTの先輩もかなり忙しくゆっくり仕事を教わることができず、わからないことがあっても終業してからでないと聞くことができませんでした。

また、その会社は各支店で国別担当制だったため、担当の国に関することは全て一人で行う体制でした。

私はハワイ担当となり、日本人が大好きなハワイに行く大量のお客様を一人で抱えることになりました。

電話、メール、来店での申込み、飛行機とホテルの予約、オプショナルツアーの冊子作成、日程表の作成、必要書類の発送、入金確認など、書ききれないほどの仕事を抱えることになりました。

そんな仕事を続けて半年たったころ、私の体に異変が起こりました。

悲しくないのに自然と涙が流れたり、気分の起伏が激しくなったりしました。

そしてある朝起きて頭を触るとそれまでなかった突起物ができていました。私は腫瘍ができたのだと思い、次の休みに病院へ行きました。

すると初期のうつ病だと申告されました。

このまま働き続けると本当に鬱になってしまうので今すぐやめるべきだとドクターストップを言い渡されました。

私はすぐに職場に連絡してその日に退職しました。夢がまだ何も始まっていないのに辞めることになり、私は惨めでした。

 

人材派遣会社へと転職

 

辞めて3ヶ月は精神を休ませるのと仕事を探すことで毎日が過ぎていきました。

転職活動はやりたい仕事が何もなかったので、まずは残業が少なくしっかり休みがもらえる会社を探しました。

大手旅行会社も受験し内定をもらいましたが、やはり前回のトラウマがあり辞退してしまいました。

宝飾販売の会社からも内定をもらいましたが職場が遠かったので辞退してしまいました。

そして私が就職したのが大手人材派遣会社でした。

私はその会社から派遣されて都内にある大手企業の綜合受付として勤務するようになりました。

 

残業がなくなり大成功の転職

 

私の転職先は大正解でした。

残業はほぼなく、あってもしっかりと給料をもらえたのでやる気が出ました。

働きだして2年経つころには私は支店リーダーに昇進しました。

派遣先はオープニングスタッフだったため、昇進が早かったのです。

役職がつくとさらにやる気が出てきて仕事にやりがいを感じるようになりました。

3年目には受付の他に企業専用会議室の管理も任されるようになりました。

莫大な額を管理するようになり責任感はますます強くなりました。

会社の会議に参加することも増え発言する機会も増えてやりたいことを提案できました。

給料も旅行会社の倍以上もらえて金銭的余裕がうまれ、アフターファイブを楽しむこともできました。

あのまま旅行会社で我慢して働いていたら今頃どうなっていたか、想像するのも怖いくらいです。

最初はやりたい仕事ではなかったけれど、働くうちにやりたいことが見えてくることもあるんだなと身をもって実感しました。