法律的な観点

この休憩時間についてですが、まずは法律的な観点から見ていきます。

労働基準法第34条では、労働時間が6時間を超え8時間以下の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を与えなければならないとなっています。

まずこれが守られていない会社は明らかに法律違反をしている完全なブラック企業と言えます。

しかし本当に問題なのはその業務内容によっては、その法律をクリアさえしていればブラック企業ではないのか?ということになってきます。

事務所での仕事では、1時間の休憩だけで水分補給をさせてもいい

ここからは法律的な観点ではなく、私の考える視点で考えていきます。

まず事務所などの勤務の場合は、水分補給は昼休憩の1時間の間だけと限定していたとしても、特に問題はないかと思われます。

但しそれは冷暖房などの空調が万全であり、体調を崩さないような温度作りができているという前提での話です。

とはいえ常識的に見て、事務所の人間がペットボトルの飲料を机において仕事をしていても、書類などにこぼさない限りは認めるのが普通の会社だと私は考えます。

いくら空調を整備していても各個人によって、汗っかきの体質の方もいて必要とする水分も各個人によって違いがあるのが普通だからです。

現場作業や工場での作業では1時間以上の休憩が必要

それから現場作業者や工場作業者などにおいては、昼休憩の1時間以外にも水分補給の時間を取らせないといけないと私は考えます。

事務所での勤務の方と違って現場作業員の仕事では必ず汗をかきます。

特に夏場の現場仕事は常に汗をかきながらの仕事と言っても過言ではありません。

こういった状況下においては通常の1時間の休憩時間以外でもこまめに水分補給をする必要があります。

 

自分を偉く思いたいが故に社員の尊厳を搾取している

では、水分補給を禁止する事は社員の何を搾取しているのでしょうか。それは、社員の人としての尊厳ではないかと思います。人は広く人間として尊重されて生きることが認められています。

人は水分を補給しない状態で生きていくことができません。まったく生命を危険にさらす必要がないところで、会社の命令によって命を危険にさらされるという状態を考えてみたいと思います。

そこには、命の危険があったとしてもいうことを聞かせたいというエゴしか見えません。

つまり、自分で自分を偉く思いたいがために、無駄に社員の尊厳を搾取して自分が偉いという思い込みに使っているのです。

本来であれば、充分な水分補給をしたうえで体調を万全にして良い仕事をしてもらうことが一番会社にとって得なはずですし、社員にとっても望ましい職場であるといえます。

けれども、体調万全で良い仕事をしてもらうということに、自分を偉く思いたいという気持ちが勝ってしまっているのです。

また、「体調万全であれば良い仕事ができる可能性が高い」というのはあくまで可能性の問題であり、ベストコンディションと良い結果は一致して成立するわけではありません。したがって、社員の体調を整えてやることは、良い仕事ができる可能性があると、社員を信頼する事が必要となります。

けれども、水分補給すらさせたくない会社の経営者はそれができません。

「体調を整えてもどうせ良い仕事なんてできないんだろうから、水を飲む間も惜しんで体を動かせ」というのがその思いの中にあるのではないでしょうか。そうなると、『信頼をしてもらえない』という名の尊厳の搾取がここでも行われてしまっています。

こうした状況下では、社員はメンタルを危うくしやすいのではないでしょうか。人は承認欲求があります。その承認欲求をあらゆる角度から踏み潰してくるのですから、当然メンタル不調が多くなります。

そして、メンタル不調は多くの場合社員の社会的な生活を脅かしてしまいます。例えその会社を無事離職できたとしても、次の会社を探して就職する事はとても困難になります。また、うまく就職できたとしても、そこで仕事を続けていくことは困難となるでしょう。

社会に悪影響を及ぼす

日本はデフレを抜け出せないという言説が多くみられます。

日本のデフレは、多くの給与所得者の可処分所得が減少することで発生します。

また、現在日本の雇用状況は完全雇用に限りなく近いということではありますが、そこには就職をあきらめた人がカウントされていません。

ニートという言葉が世の中にありますが、そうしたニートが増えることが考えられます。

たとえば、現在障害者雇用率の引き上げが行われています。それに伴い精神障碍者の雇用を広めようとする政府の動きが見られます。

実際にハローワークで障害者求人を見てみると、身体障害者の求職者はなかなか見つかりませんが、精神障碍者の求職者は数多くみられます。

障害者雇用を進めるパンフレットやリーフレットが数多く印刷されて配布されています。しかし、彼らはいつまた再び休職し、退職してしまうかわからないという企業側の疑念があり、就職がうまくいかない例が多くあります。

ブラック企業はこうした精神障碍者を数多く出してしまいます。

彼らは劣悪な労働環境に社員を置きながら離職を防ぐために、自社でも仕事が続かない場合は社会不適合という烙印を押す傾向があります。

これによって、ブラック企業からうまく離職できたとしても次に進む自信も勇気も出ません。それどころか、次に就職しようとしている企業が精神障碍者に理解のある、いわゆるホワイト企業だったとしても、以前に所属していたブラック企業での体験は頭から離れていかないでしょう。

また、会社の利益の前には水分補給さえ許してもらえず、命がけで働くことを命じられた経験は、企業に対する根強い不信感を抱かせます。その不信感を拭い去るには多くの時間やメンタルヘルスの専門家による支援が必要となってきます。

ブラック企業はその存在によって社員の尊厳を搾取し、そして社会から労働力人口を搾取しているのです。

みんなが協力し合って働いて社会を維持しているにもかかわらず、ブラック企業とその経営者は自分たちだけが儲かることを日々考え、社会のガンとなっているといえるでしょう。

 

私が働いていた現場仕事での体験

次からは私が働いていた現場仕事での体験談を書いていきます。

幸いなことに私はブラック企業に勤務したことはありません。

私が勤務していたのは倉庫でのフォークリフトオペレーターの仕事でした。

用紙を取り扱う倉庫でのフォークリフトに乗務しての仕事でしたが、倉庫と言っても食品ではなく用紙の倉庫だったので外の仕事と大差ありませんでした。

この倉庫で1人での現場作業をしていますと、夏場などは汗をかきっぱなしでシャツなどは2月,3回は着替えないといけないほど汗をかきます。

通常の休憩は1時間でしたが現場の倉庫のすぐ隣に詰所があり、水分補給や着替えは自分で自由にやっていました。

というよりそうでもしないととても勤務できるものではありませんでした。

このことで特に会社に何か言われたことはありません。

他の同僚でもいれば交替で休憩を取るということもできますが、1人での現場作業だったので会社の方からも熱中症にならないように自分で体調管理をしてくださいと言われていました。

もちろん荷物を引き取りに来るお客様がいないときなどは詰所で休憩もしていました。

食品工場での体験談

私はコンビニエンスストア向けのおにぎりやお弁当を製造する工場でも勤務していたことがあります。

食品工場という関係上、異物混入を防ぐために服装には厳しくて、制服制帽だけの格好でほかには何も持ち込むことができませんでした。

それであれば1時間の休憩以外の時間にどうやって水分補給をするかという問題になりますが、この工場では社員にドリンクなどの持ち込みを禁止する代わりに給水器を設置していて、その給水器で水分補給をしていました。

この工場はAM8:00~PM17:00が定時であり、休憩は昼の1時間でした。

ただ午前中にはAM10:00に一回、水分補給の時間を取っており、昼からもPM3:00ぐらいにその時間を取っていました。

食品倉庫でのフォークリフトオペレーターの時代の体験談

私は上記の仕事以外に食品倉庫でのフォークリフトオペレーターなどの仕事を経験しましたが、この時はきちんと決まった時間に10~15分の休憩がありました。

この時はAM8:30~PM17:30が定時でしたが、毎日PM8:00ぐらいまでは仕事をしていました。

この時にはAM10:30~AM10:45に一回、PM3:00~3:15に休憩を取っていました。

もちろん残業の時はこれ以外にPM6:00~6:15など時間を決めて休憩時間を取り、その時に水分補給をしていました。

現在の工場勤務での水分補給

私は現在、缶詰やワインなどを取り扱う倉庫でのフォークリフトオペレーター兼現場作業員の仕事をしています。

定時はAM9:00~PM5:00ですが、休憩はAM10:20~10:45,AM11:50~PM12:50,PM2:50~3:20と多くの休憩があります。

通常の会社に比べると休憩が多い気もしますが、仕事時間中の汗のかきかたはものすごいのでこのような形になっていると思われます。

まとめ

上記で述べてきたように現場作業の仕事では1時間の休憩は当たり前、それ以外にも休憩時間を取って作業するのが当たり前だと考えられます。

なので法律で定められた1時間の休憩時間を取らせない企業はもってのほかであり、それ以外にも休憩を取らせるのが当たり前です。

まして水分補給をする認めない会社というのはブラック企業という以前に人間としての生きる権利さえ奪っている大昔の企業だと感じます。

最近ではスポーツの練習でさえ、水分補給を勧めているぐらいです。

一昔前の時代であれば、練習中に水を飲むなとかいう指導も多かったですが、最近では熱中症などの対策もあり、水分補給をさせないことはありえないです。

なので水分補給を認めない会社はブラック企業と言うよりも人間としての基本的な権利を奪っている会社、休憩時間を与えない会社はブラック企業だということができると思います。

大体人間の集中力はそんなに長い時間は持続しないので休憩時間を与えて仕事するほうがかえって能率は上がります。

なので24時間稼働の工場でのライン作業であれば交替人員の十分な整備、現場作業者には1時間以上の休憩を与えるのが一般的な企業だと考えます。

なので休憩時間を与えない企業やまして水分補給を認めないような会社は間違いなくブラック企業であり、一刻も早く退職したほうがいいでしょう。

今回のお題「水分を取らせてくれない会社はブラック企業?」はこのようなお題が出るということはひょっとしたら本当にこんなひどい会社が実在するのか?ということを考えるとぞっとさせられました。

しかし水分補給はともかく、休憩時間を与えないでずっと労働させる企業というのはかなりの数が存在しているのではないかと想像できます。

水分補給も食事もなしで働きっぱなしという会社もひょっとしたらあるかもしれません。

このブラック企業という最近になってよく聞く言葉ですが、一刻も早く労働基準法などで法規制をしてもらいたいです。

そうでないと労働者、それも現場で肉体労働をする労働者はいつまでたっても安心して働ける状況にはならないと思います。

少なくとも人間としての最低限の権利ぐらいは会社には認めてほしいです。