退職時のマナーについて、これは人として大切です。
どんなブラック企業でも、どんな嫌なお局がいたとしてもあなたを大切に扱ってくれた人はいるはずです。
もう辞めるから関係ないと単純に思わず、もしあなたが抜けたことで大変になる人が、あなたを大切に思ってくれた人だったら少なくとも終わりくらいは穏便に退職したいものです。
次の会社は前の会社を辞める時から始まっています。終わりが悪ければ始まりもよくはありません。
なので、次の会社に気持ち良くいくためにもすっきりした気持ちで退職しましょう。
できるだけ早めに退職を申し出る
退職を願い出るのは、基本的には就業規則に記載してある時期に従うというのは大原則です。
ただ、その就業規則に、半年前に申し出る、と記載してあるからといって、どうしても、その時期に申し出ないといけないというわけではありません。
極端なことをいえば、原則として、いつ退職をしても、それは働く人の自由意思によるものですから、問題ない、という考えもできます。ただし、そこには、法律も少々かかわっていますので、自分の安全を守るためには、2週間前に、退職届を提出すれば退職をすることができる、ということになります。
ですが、それでは、穏便に退職をする、ということはきわめて困難です。
なぜなら、就業規則に記載してある時期というのは、その会社にとって意味のある時期ということがいえますから。
たとえば、日本の場合、高校卒業もしくは大学卒業の新卒者を採用する時期というのは、ほぼ決まっており、その時期に通常は、事業計画などを考え、また、翌年の退職者を見込み、総合的な検討を加えた結果、採用人数を決定し、それにしたがって、就職の内定者を決定しています。また、採用のみならず、次年度の事業計画に応じた、効果的な人員配置を検討しており、それにしたがった社内異動の計画も立てられています。
年度の途中の退職についても、その人材が途中で退職をしたとしても、その人が退職をした後、業務に支障をきたさないようにしなければなりません。必要な人材は容易に確保できるわけではなく、それをするために必要な期間を検討しているわけです。
ですから、穏便な退職を考えるうえでは、原則として、就業規則に記載してある時期に従う、ということをします。
特殊な職種に就いている場合には、退職時期の選定は慎重に
ある種の職業などにおいては、年度の途中に退職を申し出ることにより、穏便な退職をすることができない、ということもありえます。
たとえば、学校法人という組織に雇用され、クラス担任を持っている教員などにおいてはどうでしょうか。
そういった職業に就いている人が6月のボーナスをいただいて退職をする、就業規則には1か月前の退職届の提出と記載してある、だから、5月末に退職届を提出すればよい、という考えでの行動は、到底、穏便な退職をするということにはならないでしょう。
また、たとえば、必ず1名はその職場にその人が存在しないといけない、という特殊な資格を持っている人が、同様の行動をとったとしますと、同じように穏便な退職をするということはできないでしょう。
大手飲食チェーンなどに就職し、配属されていた飲食店で、食品衛生管理者の資格を持っている人はその人1名のみ、というときに、急にその人が退職をする、ということになると、会社としては大変困ります。
同じ資格を持った人材を、その人が退職するまでの間に確保しないと、その飲食店はしばらく休業せざるをえなくなるということです。
ですから、その会社において、単なる将棋のコマ的な存在ならば、まだしも、そうではない場合、穏便な退職を考えるとき、退職時期の選定は極めて慎重に行う必要があります。
計画的にやめる
もうこの会社なんて嫌だ。明日にでも辞めてやる!!なんて、一時の感情で動かないでください。
どうせ辞めるなら計画的にやめましょう。
得することを考えるのです。
一時の感情ならあなたが損をするかもしれません。
損をするのではなく、会社からもらえるものは貰ってやめましょう。
会社からもらっているのは給料だけではありません。
交通費や健康診断など福利厚生面でも貰っているものはあります。
なので、交通費に関しても次の交通費が支給されるタイミングが一番いいタイミングです。
6カ月定期なら、支給されて辞めれば解約しても1か月間はただで電車が乗れます。
健康診断も受けてからやめたほうがいいでしょう。
また、一番重要なのは、賞与=ボーナスです。
一般企業は年に2回支払われると思うので、この近辺に辞めると思ったら注意してください。
会社の規定に賞与はいつまでに在籍しているものに限る、と記載があるはずです。
日にちが足りなくてせっかくもらえるものを貰えなくするのは絶対にやめましょう。
私の会社でも2日足りなくてもらえるはずの賞与がもらえなかったということがありました。
ボーナスは大きいので、必ず会社の規定を一度見てくださいね。
そして、有給もちゃんと使いましょう。今まで取れなかった分最後に取りましょう。
嫌なこと言われても有給は権利なのでちゃんと消化しましょう。
最後のあいさつはしっかりと
どんな嫌な会社でも最後のあいさつはしっかり行ってください。
どうせ、明日から行かない会社ですし、嫌な顔を見るのもこれで最後。せっかくだったら笑ってさよならしましょう。
辞めさせられたではなく、こっちから辞めてやったと思わせてください。
悲しんだり、落ち込んだ暗い顔をしていると穏便に辞めることはできません。
陰口は別に聞こえないのでいいですが、わざわざ言われたくないですよね。
なので、晴れやかな顔をして会社を辞めましょう。
そして、嫌な人ばっかりではなかったはずです。
いい人も一人はいたのではないしょうか。
その人たちに迷惑がかからない辞め方を出来ればした方がいいです。
私の会社は辞める時、各部署を手土産を持って渡しながら挨拶をします。
どんなに嫌だなと思った人でも、会うのも一生で最後の事になりますからこの機会に話してみてください。
引継ぎはしっかりと行う
辞めるとなると必要なのが引き継ぎ作業です。
自分自身が現在抱えている仕事を、完了できるものはできるだけ完了させておきます。
加えて、新規に引き受ける仕事については、自分が退職までの間に完了できるのか否かを慎重に検討し、完了できるのであるならば、十分引き受けてもよいでしょう。
ただし、途中で退職をしなければならない時期がくる可能性がある仕事の場合、上司にはその旨相談をし、指示を仰いでおく必要があります。
場合によっては、引継ぎをすればよい、という考えもあるでしょうし、場合によっては、ダブルキャストで担当をする、ということもあるでしょう。特に、相手のある仕事については、相手の信用を損なうリスクもありますから、的確な判断と行動が求められます。
加えて、現在、抱えている仕事で、退職までには終えることができないと考えられる仕事についても、早めに上司に報告し、指示を仰ぎましょう。
上司は、退職までそのまま仕事を担当し、引継ぎをすればよい、という判断を下す場合もあれば、早いうちに引継ぎをし、サポートにまわってほしい、という判断を下す場合もあるでしょう。
そういった指示に従いましょう。
そして、引継ぎをする必要のある仕事は、口頭ではなく、文書できちんと引継ぎができるように、準備をします。その引継ぎの内容は、上司にも報告をしておきます。
いくらブラック企業でも、引継ぎ者にも迷惑かけることはできません。
引継ぎをまともにやらずに後継者に丸投げしてしまうのは迷惑が掛かりますし穏便に退職することはできません。
遅いと思いますが、あなたが、こんなに大変だったと、他の人に知ってもらえる機会なので他の人にしっかり最後に理解してもらいましょう。
そして、その引継ぎ者があなたと同じようにならないように出来たら配慮してあげるのもいいかもしれません。
人の痛みは、なってみた当事者でしか分かりません。
身辺整理をしっかりする
これは机の周りやあなたの書類の事をいいます。
物に罪はありません。
あなたが汗水たらして働いた給料はあなたが所有する、パソコン、筆記用具机があったからです。
あなたを支えてくれたモノに感謝をこめて整理しましょう。
また、返却するものをしっかり確認しましょう。
また、会社に行ったり、郵送したりするのは面倒くさいですよね。
嫌いな会社なので、辞めてからも付き合いたくないはずです。
なので、辞める時の身辺整理は、しっかりやることをお勧めします。
個人情報は必ずシュレッダーにかけましょう。
まとめ
いかがでしたか?
会社を辞めることは簡単です。
しかし辞めるにあたって、社会人として大人としてのマナーが問われます。
ここをしっかりできない人は今後も成功しません。
また、会社はあなたのすべてではありません。
辞めることも大いに人生の成功への近道だと考えましょう。
そして、大きな決断をしたという自分を褒めてあげましょう。
そして、晴れやかな気持ちで最後のあいさつをしてみてくださいね。
きっとその後の人生にも大きく変わってくるはずです。