数年前の春、私は地元の零細企業に近いくらいいの規模のメーカーに営業として新卒で働き始めました。

その会社に就職した理由をはっきり言うと就職活動に失敗したからです。

職種は営業職、業界は銀行を第一志望にしていた僕は、メガバンクから地元の地方銀行・信用金庫と全て落ち、とりあえず家から近い小さなメーカーに就職しました。

致し方なく就職した企業でしたが入社前の印象は、国や地方の団体から表彰された事もあり、ブラック企業と言う印象は全くありませんでした。

入社後の数日間で次々と受けた衝撃の数々

こうして不本意ではありましたが、ある程度の納得感もあって入社した私でしたが、入社後すぐに違和感が次々と湧いてきました。

まず、違和感に感じたことは入社前に教育係と聞いていた人がいつになっても姿を見せなかった事でした。

どうやらその教育係と聞いていた人は私たちが入社する数日前にその会社を辞めており、さらにその人自身も中途採用では数ヶ月前に入社したばかりの人であり、とても新卒社員を教育できるような人間ではありませんでした。

さらに衝撃的だったことが新入社員は自分も含めて4人と聞いていましたが、入社日当日に事前研修にはいなかった若者が1人増えていました。

よく聞くとなんとその人物は社長の息子で高校を卒業して親の会社に入社すると言う事だったのです。

どうやら社長は自分の息子を入社させ、そのサポート役として私たちを入社させたようでした。

他にも、工場の社員の指が機械に挟まれてなくなったと言う事故が起きていましたが、「国からの立ち入り調査では何も指摘されなかったので問題ない」と言った発言が聞かれたり、ベテラン社員を怒鳴り、罵りまくる社長の姿があったりと、入社数日で「あれ?」と思うことの連続した。

そして数ヵ月後、すぐに転職を考え出す

入社後、数日して社長が権力を振り回すパワハラブラック企業だと分かりましたが、まだ自分に辞めるべきではないと言い聞かせていました。

しかし、私がこの会社を辞めたい、転職したいと思い出すまでに時間はかかりませんでした。

私がこの会社の仕事をきつい、しんどいと思うようになってきたのは同い年で入社した男性社員が、社長からパワハラを強く受ける姿を見るようになってからでした。

その男性社員とは同じ大学出身ということもあり、非常に仲良くなっていました。

しかし、社長はその男性社員のことがかなり気に食わなかったらしく、毎日のように怒鳴り散らしていました。

男性社員は僕に「社長のあたりがきつくてしんどい。辞めたいけど女で1人で育ててくれた母親に申し訳ない」と言ったことを漏らすようになりました。

結局その男性社員は入社して2ヶ月ほどで転職すると言って辞めていきました。

すると今まではその男性社員に向いていた社長のパワハラが私にも向くようになりました。

私以外の新入社員は社長の息子か女性社員だったのため、私に当たりやすかったのかも知れません。

その頃には私も毎日のように転職サイトを見るよになっていました。

昼休みにこっそり抜け出し、某大手転職サイトから来る企業案内や転職エージェントから来るメールをチェックすることが仕事の息抜きとなっていました。

きつい・しんどいと思う毎日でした。

また私は就職活動の時に「自分がより早く成長できる会社で働く。」と言う目標を掲げており、小規模の会社であれば早くから仕事を任され、社長との距離も近ければ吸収できるものも大きいと思っていました。

しかし、実際に仕事を任されることはまれで、現場に行けるのは社長の息子のみ。

社長からの支持を受けて資料を作ったりミーティングの準備をしても、数時間ごとに指示が変わるのでとても仕事になりませんでした。

そう言った場面が続く中で仕事がきつい、こんなはずじゃなかったと思うことが多くなっていきました。

そして転職を決める決定的な出来事が起こる

1つ目の事件は社長が不在の時に起きました。

とある新規のお客様から問い合わせの電話が入ったのですが、社長がいなかったため、代わりに要件を聞いてすぐに社長に電話。

すると社長から電話で指示があったのですが、それが新入社員に取っては理解することが難しく、お客様への対応が社長の意図するものとは違うものになってしまいました。

再び社長に連絡すると「オレが言ったのと違うやないか。なんで分かるように指示してんのに理解せえへんねん」と言われました。

しかし、数ヶ月前まで大学生だった新入社員に電話で支持されたぐらいで新規のお客様の対応などできるわけもなく、社長も長年のワンマン経営からか、かなり指示が曖昧でベテラン社員たちでも、到底、理解できるものではありませんでした。

さらに別の新規のお客様の対応をすることがありました。

しかも現場に行けて社長にも同行できると言う私としてはとてもすばらいしものでした。土曜日の朝、いつもより早く出社し、社長と1時間くらいかけて現場に向かいました。

現場には自社で作る機械の設置場所を計測するために向かいましたが、社長はこの大事な計測作業を私に任せました。

最初は社長に任されてあと言うこともあってやる気に満ち溢れていた私ですが、次第に社長は私に難癖や文句を言うようになり、最後には「これで失敗したらお前の責任やからな。失敗したら自分で責任取れよ」とパワハラともモラハラとも取れるプレッシャーをかけてきました。

結局、この社長は常に誰かに当たっていないと気がすまないようで、その一方でいいかっこしいのところもあり、手柄は自分のもので、なにかミスがあると全て部下の責任にすることが当たり前になっている人でした。

この同行で社長がきっかけで、本当に辞めたい、転職したいと思うようになりました。

そして、度重なるパワハラ・モラハラの結果、体調を崩し、精神科に通った結果、入社して僅か半年ほどで1社目の会社を去ることになりました。

最後に社長から「ボーナスもらってすぐに辞めるとか詐欺師かお前は。」と吐き捨てられましたが、このきつい会社から辞められる安堵感の方が強かったです。

そして1回目の転職へ

しかしそうは言ってもたった半年ほどで入社した会社を辞めた罪悪感もありました。

また、半年で辞めた私を雇ってくれる会社なんてあるのかと思いましたが、転職エージェントに相談すると「○○さんの若さなら大丈夫」と心強い一言があり、この転職エージェントの方にお世話になることに決めました。

このエージェント会社は世界各国に拠点を持ち、売上高も世界トップクラスだったことも決め手になりました。

しかしこの選択が後々裏目に出ることに・・・

2社目の企業へ入社

2社目は通信商材を扱う会社へ就職。

2社目への入社は案外すんなりと決まりました。

 

自分はもともと営業職で早く自己成長できる=早くから現場に出て仕事を任せてもらえると言ったことを軸に会社を探しました。

入社してみると2週間の研修のあと、本当にすぐに現場に出ることができました。

前の会社とは全く違ったスピード感です。

しかし、スピード感があり過ぎることにはすぐに気がつくことになりました。

厳しすぎるノルマと驚異的な離職率

研修後の1ヶ月目からすぐに個人目標を言い渡されました。

私はまだ若く、入社1ヶ月目だったため、(決して甘く考えていたわけではないですが)、そこまで厳しく目標達成について問われはしないと思っていました。

しかし、1回目の営業会議でその考えは凍りつくことに。

そこには目標に達成ができていない社員に対して非常にきつい追求がありました。

営業社員がなにを答えても「なんで?どうやって?いつできるの?どのくらいの確率でできるの?」と言った有無を言わせない追求がありました。

当然、私にも厳しい追求がありましたが、現場では私に教えてくれる社員はいなく、完全な営業素人の私にはどうしようもないものでした。

それでも毎月きつい目標が与えられ、さらには半年に1回20~30パーセントの目標アップも課せられて本当にしんどい日々が続きました。

結局、私は成績不良と言うことで2回目の契約更新ができず、この会社も1年で退社することになりました

あとから知ったことですが、この会社は年間の営業の離職率が90パーセントを超える超ブラック企業でした。

さらに転職エージェントの中でもこの会社は大量に採用し、大量に辞めさせることで有名な会社であったそうです。

3社目でも誤ちに気がつかない自分

仕事自体はかなりきつかったもののまだ営業に未練のあった私は次も営業職で仕事を探しました。

さらに自己成長を考えていたため、自社の商品力で勝負する営業ではなく、自分自身の力勝負できる営業=無形商材の営業が良いと思い派遣会社に就職することに決めました

今回は東証一部上場企業、さらには正社員での入社なので、前の企業のようなことはないだろうと思っていましたが現実はそんなに甘くはありませんでした。

2日間の本社研修の際に、この会社は以前、非常に大きな問題を起こして2度の業務停止命令を受けていることが発覚。

現場に配属されてからもまともな研修やレクチャーはなく、自分でなんとかしなければいけない環境でした。

売上ノルマも前の会社ほどではないにしろきつく、営業を行いつつも派遣会社なので人の手配も並行して行わなければなりませんでした。

特にきつかったのはお客様の要望に応えられず人を手配できなかった時に、自らが現場に行かなければならない時でした。ひどい時は朝3時30分に家を出て、6時から22時まで肉体労働を強いられる。

あるいは作業が18時ごろに終わっても事務所に帰って通常業務と言うこともありました。

さらには9時から終電まで働いて、駅まで20分以上の道のりをひたすらダッシュすると言ったことも日常茶飯事でした。

結局この会社も半年ほどしか持ちませんでしたが、辞める少し前に上司が言った言葉が今でも忘れられません。

上司が「この会社に入って300人くらいと出会ったけど、ほとんど辞めていったわ」と言ったので、僕は「(ほとんどって9割くらいかなと思ったので)270人くらい辞めたんですか?」と聞くと「290人やな。」と言われました。

東証一部に上場しているから安心と思って入社しましたが、そんなことは本当になんの当てにもならないと思いました。

4社目への転職でやっと気づいたこと

 

ここまで長くても1年未満しか働いてこなかった私には1つ気がついたことがありました。

それはブラック企業の見分け方とかそんなことではありません。

働く上で一番大切なことは「続けられること」です。本当にこれは大事なことです。

会社を選んでいる時は(特に新卒の就職活動の時は)自分がどう働きたい、どうありたいを基準に考えがちですが、どんな理想を描いてもどんなにお金をもらえても、働き続けられなければ一緒です。

ちゃんと働いている人からすると当たり前すぎることですが、その会社を続けられるということは本当に大事なことです。

それに気づいた私は今までの理想を捨てて転職活動をすることにしました。

営業職ではなく事務職、給料が歩合制でなくても良いと言った考えに変えました。

最終的には持っていた日商簿記2級の資格を活かして経理職へ

今までの会社では5ヶ月、1年、7ヶ月しか持たなかった私ですが、現在は2年半以上も続けられており、残業もほとんどなく、上司にも先輩にも非常に恵まれた環境で働けています

長く書きましたがもう一度、言います。

働くと言うことは働き続けてこそ意味があります。

それぞれ理想の働き方やなりたい自分なんてものを持っているかも知れません。

でも一番大事なことは自分の体や精神です。

私が大学を出て2年半ちょっとで4回も企業に就職できたことは本当に奇跡で運がよかったからです。通常ではこんなことは絶対にできません。

今一度、自分にとってなにが大切なのか、なにができてなにができないのか、なにが楽しくってなにがしんどいのかと言うことと真摯に向き合って下さい。

私のようにしんどい環境の中で転職を繰り返す人が1人でも少なくなることを祈っています。