とあるWebデザイン事務所での出来事です。
私が二十代半ば、デザイン事務所で働きたいと探していたところ、経験がなくても入れるところを見つけました。
しかし、そこがひどくブラックでした。

今回はそんな私のWEBデザイン会社でのブラックな実体験をお話ししようと思います。

どうして未経験でも入れたのか

まず、デザイン事務所で働こうと思うと、一年以上の勤務経験、そして作品集(ポートフォリオ)を持参するところがほとんどです。しかし、私がパートで未経験でも入れた事務所は、全く何も要らず、面接もとてもフランクでした。

面接をしてくださったのも社長でも人事部でもなく、社長の奥さんでした。それが奥さんだとはその時は知らず、「この人一体、誰だろう…」そう思いながら面接を受けた記憶があります。笑
未経験でも入れるデザインとあり、きっと雑用ばかりなんだろうと思っていたんです。
入ってみてすぐ、やはりやることはコピペばかり。電話対応からお茶出しと事務のような存在でした。
あくまで、デザイン事務所でお手伝いする人って立ち位置での採用だったんです。けど、自分はそれでも満足でした。

入って1ヶ月で環境が激変する

しかし入ってみると、1ヶ月しないうちに構成からクライアントとの電話での密な対応。要望などもお聞きし、簡単なことからではありますが、サポート面などもすることになりました。

流石にまだまだ自分も経験不足。お客さんから問い合わせがあっても、正直すぐに答えられません。しかし、何でも奥さんや社長に聞くとものすごく怒られるんです。「それはお前知ってるはずだから自分で答えろ!」とか、「前にも言った。これで二回目だ!」とか。一度聞くのはオーケーなんですが、二度目はアウト。たしかに社長は忙しく、奥さんもその手伝いに追われてはいます。しかし、こちらは全く未経験。しかも扶養範囲内で働くパートです。そこまでの仕事は荷が重いと感じるスタッフもいました。

そんな子は、うまく電話に取らずに済むように仕向けたりと、ずる賢く働いていましたね。笑
また、怒った後に必ず「お前のスキルアップのために言っている。」とか言ってくるんですが、ただただストレスでしかありませんでした。

怒られるのは日に日にエスカレート。「期待してる証拠だよ。」なんて、奥さんに言われたりもしましたが…いくらなんでも、パートにしてはちょっと仕事内容が重すぎました。

デザイナーアシスタントへ

ある日、社長から「デザインやってみないか?」と言われたんです。何故そうなったのか、未だに理由はわかりません。しかし、デザインに興味があってもともと入ったのもあり、是非やってみたいなとは正直思ってました。
デザイナーの方が一人だけ社員としていたのですが、その方は毎日のように怒鳴られていました。まさか自分はパートだから、そこまでは求められないだろうし、勤務時間も限られますから、ある程度の範囲のデザインアシスタント的な仕事がくるんだろ。そう思っていたんです。

しかし、仕事内容は激変。やったことのないホームページのデザインからヘッダー、フッターデザイン。広告や名刺。あらゆる仕事を振られます。しかし、出来るわけもなく…。そんな時、社長からまた言われたんです。「お前、デザイナーになりたいんだろう!?違うのか?!やる気がないなら辞めろ!」正直、意味がわかりませんでした。何故怒られているのかも謎でした。
できない自分を責めそうでしたが、途中、あまりにパワハラがひどく感じ、私は目が覚めました。

デザイン恐怖症に

「お前たちのためだ」とか、「頑張れ!」とか、散々言われました。
罵倒され、怒られて、そんなことばかりで、心身ともに疲れ切ってしまいました。

終わるはずのない量の仕事を任され、扶養範囲をとうにこえそうな状況。それでも仕事は減らず、タイムカードを押してからも仕事をしてました。それでも「お前は何の稼ぎも会社にもたらしてないんだぞ!」と脅されます。
どれだけ言われても怒られても、デザインは自分が産まなければ終わりません。しかし、何も経験がなく、どうやって作ればいいのかさえわからないのです。

出来ないの言い訳はできず、結局毎日しがみつくような日々でした。頑張れと言われても、どうすれば良いのかわからず、終わらない仕事、いつまでもオーケーを出してもらえない仕事を、永遠と毎日せねばならない苦痛。
気づけば、デザインなんて大嫌いになってました。

デザイナー全員が退職

罵倒され、怒られていたのは私だけではありませんでした。
唯一社員で働く男性スタッフが一人いたのですが、私はその人のアシスタントとしてつかせてもらっていたんです。
その方もまだまだ経験は浅く、未経験からこの事務所に入って一年ちょっとでした。社長直々に教え込まれ、まるで社長の言いなりのような存在。それだけ罵倒されているのに、どうして社長にしがみつくんだろう?そう思うスタッフは、きっと私だけではなかったはず。ちょっと異常でした。

しかし、社長からすると手塩にかけて育て上げている途中が彼でした。可愛がっているつもりらしいですが…全く、ただのパワハラにしか見えませんでしたね…。

私は彼にある日相談したんです。「あまりにひどい怒られ方をするから、ちょっと異常です。辛い。」すると彼はその時は「期待されてる証拠ですよ!」なんて言ってました。私は「そうなのか…」と、なんとか良い方に考えようとするんですが、どうしても気持ちが上がってこなくなる日が続きました。
それが3ヶ月ほど経ったある日、その彼と、もう一人フルタイムでデザインをとして入ってきた女の子三人でプチ会議を開くことになったんです。

それは社長からの指示で、「これからお前たちがこの会社を引っ張っていくにあたってどうすればいいのか、お前たちで話し合え」とのことでした。

今までなんとか前向きに頑張ってきた私。そして、ものすごく前向きな人たちだと私には写っていた二人。でしたが、その会議で決まったのは、「もう、辞めよう。」でした。
三人共々、ピークに来ていたようです。
私からみると、社長を尊敬しているように写っていた二人。しかし彼らも人間なんだなぁと、ちょっと安心すらしました。

翌日、女の子が辞めました。その一週間後、男の子が辞めることになり、残された私は、社長から直々に「残るかどうする?お前一人で頑張れるのか?」と言われました。答えは簡単です。「無理です。」

 

まとめ

 

憧れのデザイン事務所。しかし、どこも同じかはわかりませんが、「お前のため」だったのは、結局「社長のため」だったんです。本来であれば、経験もなんもない私をデザイナーにさせようなんて、無謀な話です。会社としてもかなりリスクでしょう。だから私も頑張ろうって思ってました。

しかし、罵倒され続けて思ったんです。社長は言いたいだけなんじゃないか?と。伝えたいことはあったんだろうけど、私にはもう、伝わる前に自分の心が折れてしまって、デザイン自体が大嫌いになる。いや、なりました。
もう二度と、デザイン事務所なんかで働きたくない!って思います…。
上っ面のやる気を煽る言葉たち。そんな言葉にはもう騙されない。そう思います。